ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

トマ・ピケティ 「21世紀の資本」

 今日は第十六章を読んで、やっと読み終わった。

 本に書かれていたことの半分も理解できたかどうか怪しいけれど、過去数百年分の資本にかかわるデータを集めて社会的・文化的な背景を織り交ぜつつ考察を加えているところが興味深かった。

 経済の成長率は戦後復興期や新興国を除けば、歴史的にみてせいぜい1%〜1.5%程度で、このような状況だと相続財産(株とか土地)を持つ人達に富が集中するようになり、それを防ぐには世界的な資本への累進課税が必要とのことだった。

 税金は自分でどうこうできることではないので置いておくとして、労働で得られる所得が限られるのであれば、株でも不動産でも持つようにすればよいってこと?


21世紀の資本

21世紀の資本

トマ・ピケティ 「21世紀の資本」 第十六章 <公的債務の問題> メモ


政府が支出をまかなう方法は、税金と負債の二つ。
公正と効率の観点からして税金のほうが望ましい。


負債の問題は返済が必要なこと
⇒政府にお金が貸せる人々の利益になる。
 金持ちに借りるより、金持ちに課税するほうが望ましい。


現状、世界の富裕国は、いつ終わるとも知れない債務危機に漬かっている。


新興経済国は富裕国よりも所得でも資本でも貧しいが、公的債務はずっと低い
⇒公的債務の問題は絶対的な富の水準の問題ではなく、富の分配であるこを示す


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公的債務削減―資本課税、インフレ、緊縮財政


巨大な工程債務を大幅に減らすための三つの手法
1.資本税・・・・民間資本に対する例外的課税が最も構成で効率的な解決策
2.インフレ・・・歴史的に巨大公的債務はインフレで解決されてきた
3.緊縮財政・・・公正の面でも効率性の面でも最悪の解決策

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インフレは富を再分配するか?


国債は実質資産(価格が経済状況に応じて変わり、通常は不動産や株式などのように
インフレに負けない速度で価格が上がる資産)ではなく、名目資産(価格は事前に
決まっておりインフレに左右されない資産)なので、インフレ率が少しでも上がると、
公的債務の実質価値は大幅に減る。


例外的な資本税と追加のインフレがなければ、ヨーロッパに現存するほど巨額の公的
債務から逃れるには数十年かかりそう。


インフレの問題点
1.制御が難しい・・・インフレ・スパイラルを止めるのは難しい
2.永続化して期待に埋め込まれると、その望ましい効果の大半が消えてしまうこと

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中央銀行は何をするのか?


中央銀行の主要な昨日は金融システムの安定性を保証すること。
「最後にすがれる貸し手」の役割を引き受けること。

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お金の創造と国民資本


中央銀行は富そのものを創り出すのではなく、富を再分配する。


中央銀行が行うオペレーションは常に融資であり、金融資産と負債を創り出す。
創り出された瞬間にこの両者は完全に相殺される。


次に何が起きるかは、この金融政策が実体経済にどう影響するかで決まる。

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キプロス危機―資本税と銀行規制が力をあわせるとき


中央銀行と金融当局の限界
強み:素早く動けること
弱み:自分たちが引き起こす再分配の標的をきちんと決める能力が限られること


累進資本課税は永続的な税金として有用なだけでなく、大規模銀行危機の解決における
例外的な課税でも役に立つ。

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経済的透明性と民主的なコントロール


今後最も重要な問題のひとつは、財産の新しい形態や、資本への新たな民主的コント
ロール形態を開発すること。


資本の民主的統制の各種形態を大きく左右するのは、参加者それぞれへの経済情報の提供。
経済と金融の透明性は課税目的でも重要だが、民主的なガバナンスや参加に不可欠。


本当の会計財務的な透明性と情報共有なくして、経済的民主主義などありえない。
逆に、企業の意思決定に介入する本当の権利なしには、透明性は役に立たない。
情報は民主主義制度を支援するものでなくてはならない。