ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

本多勝一 「日本語の作文技術」

 数年前、まともな文章を書けるようになりたいと思い、本多勝一氏の「日本語の作文技術」という本を読んだ。とても参考になったけれど、結局のところあまり身についていないので、もう一回読むことにした。


日本語の作文技術 (朝日文庫)

日本語の作文技術 (朝日文庫)

本多勝一 「日本語の作文技術」
第二章 <修飾する側とされる側> メモ


・わかりにくい文章で多いもの
 ⇒修飾する言葉とされる言葉とのつながりが明白でない場合。
  原因? 両者が離れすぎていること

     例文:私は小林が中村が鈴木が死んだ現場にいたと証言したのかと思った。
        ↓
        鈴木が死んだ現場に中村がいたと小林が証言したのかと私は思った。


第三章 <修飾の順序> メモ


1.一枚の紙を形容する三つの修飾語で、「紙」という名詞にかかる修飾語を作るときの順序について

 (a)白い紙
 (b)横線の引かれた紙
 (c)厚手の紙

 例文1:白い横線の引かれた厚手の紙

   ⇒これだと、「横線が白い」ことになってしまう


 例文2:厚手の横線の引かれた白い紙

   ⇒この場合、「横線が厚手」にとられてします

 
 例文3:白い厚手の横線の引かれた紙
 例文4:横線の引かれた白い厚手の紙
 例文5:横線の引かれた厚手の白い紙
 例文6:厚手の白い横線の引かれた紙

   ⇒例文3、6は誤解を招きやすく、例文4、5は誤解はない。


・例文4、5は節(クローズ)が先で、句(フレーズ)があとに出るため、分かりやすい。
 (「節」は一個以上の述語を含む複分、「句」は述語を含まない文節(分の最少単位)とする)


【原則1】節を先にし、句をあとにする。


2.動詞にかかる修飾語の場合

 (a)速く走る。
 (b)ライトを消して走る。
 (c)止まらずに走る。


 例文1:速くライトを消して止まらずに走る。

   ⇒「速く」が「消す」を修飾し、「ライトを速く消す」と取られる恐れがある。 


 例文2:ライトを消して速く止まらずに走る。
 例文3:ライトを消して止まらずに速く走る。

   ⇒例文3のほうが誤解が少ない。


 例文4:ライトを消して止まらずに速く走る。
 例文5:止まらずにライトを消して速く走る。

   ⇒例文4のほうが誤解が少ない。



【原則2】長い修飾語は前に、短い修飾語は後に。

 例文6:明日はたぶん大雨になるのではないかと私は思った。
 例文7:私は明日はたぶん大雨になるのではないかと思った。

   ⇒例文6のほうが分かりやすい。


 例文8:明日は雨だとこの地方の自然に長くなじんできた私は直観した。
 例文9:この地方の自然に長くなじんできた私は明日は雨だと直観した。

   ⇒例文9のほうが分かりやすい。


3.その他

【原則3】大状況から小状況へ、重大なものから重大でないものへ。

 例文10:チリ美人は、アルゼンチンの肉をたっぷり食べているセニョリータに比べると、ぐっと小柄
     である。

       ↓修正

     アルゼンチンの肉をたっぷり食べているセニョリータに比べると、チリ美人はぐっと
     小柄である。



【原則4】親和度(なじみ)の強弱による配置転換。

 例文11:初夏のみどりがもえる夕日に照り映えた。

   ⇒原則1〜3を満たしているが、「みどりがもえる」の「みどり」という言葉と、「もえる夕日」の
    「もえる」の親和性が問題。「もえる夕日」を「みどりがもえる」と誤解しやすい。


       ↓修正

     もえる夕日に初夏のみどりが照り映えた。



※四つの原則のうち特に重要なのは【原則1】と【原則2】。