今日は第四章「句読点のうちかた」を読んだ。本の説明を読むと分かったような気になるんだけど、実践するのが難しい。
- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 1982/01/14
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本多勝一 「日本語の作文技術」
第四章 <句読点のうちかた> メモ
1.マル(句点)そのほかの記号
、(テン)や。(マル)や「(カギ)のような符号は、わかりやすい文章を書く上でとても重要。
例文1:渡辺刑事は血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた。
⇒これだと、血まみれになったのが渡辺刑事なのか賊なのかわからない。
血まみれになったのが賊であった場合、以下の点のうち方だと刑事が血まみれになって
しまう。渡辺刑事は血まみれになって、逃げ出した賊を追いかけた。
テンのうちかただけで改善するには以下とする。
渡辺刑事は、血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた。
テンを無しにするには以下とする。
血まみれになって逃げ出した賊を渡辺刑事は追いかけた。
<文章中に現れる符号>
。 マル・丸・句点・終止符
、 テン・点・区切り点・読点・コンマ
・ ナカテン・中点・中黒・ナカポツ
( マルカッコ・パーレン (二個で一対)
「 カギカッコ (二個で一対)
『 二重カギカッコ (二個で一対)
″ ヒゲカッコ・チョンチョンカッコ (二個で一対)
? 疑問符
! 感嘆符
= イコール
− ハイフン
= 二重ハイフン
・・・ 点線・リーダー
、、、 傍点・ゴマ
― 中線・長棒
その他
<>、≪≫、〔〕
1.1 ナカテン(・)
・並列や同格の語のあいだに使うほうが論理としてわかりやすい。
例文1:報道は、いつ・どこで・誰が(何が)・どのようにして・なぜ起きたかを書くのが常識と
されている。
・列挙や同格のときはふつうテン(読点)を使う。
例文3:カール・マルクス、アダム・スミス、チャールズ・R・ダーウィンの三人が...。
テンを例文3のように使うと構文上の重要なテンの役割を侵害することがある。ナカテンが
可能なときはテンを避ける。
・列挙(並列)でも修飾語がついた場合はテンにする。
例文4:『資本論』を書いたカール・マルクス、『国富論』を書いたアダム・スミス、
『種の起源』を書いたチャールズ・R・ダーウィンの三人が...
・カタカナの固有名詞を列挙する場合は二十ハイフンがある。
例文5:カール=マルクス・アダム=スミス・チャールズ・R・ダーウィンの三人が...
例文6:ニューヨーク=タイムズ・ル=モンド・ワシントン=ポストの三紙が...
1.2 マルとテン
・符号の中で作文上特に重要なのはマルとテン。
・マルは文が終わったら必ずつけること。
2.テン(読点)の統辞論
・テンは、符号の中でも決定的に重要で、かつ用法についても論ずべき問題が多い。
例文1:…働きざかりと思わる年齢の人の急死が報じられるのをみると、ついついいろいろ
考えさせられる。病名が心筋硬そくだと元気にまかせて、過労をかさねたのでは
ないかと思い、ガンだと、どうして早期発見できなかったのかと気にかかる。
⇒「元気にまかせて」のあとのテンをやめ、その前(「心筋硬そくだと」のあと)に
移せばよい。
「病名が・・・」以下の文章には二つの述語があり、それらにかかる修飾語に関係は
以下となる。
病名が心筋硬そくだと →
元気にまかせて過労をかせねたのではないかと → 思い
(病名が)ガンだと →
どうして早期発見できなかったのかと → 気にかかる。
それぞれの述語に二つずつ修飾語がついている。二つの修飾語と修飾語の間に
テンを打てば論理がハッキリする。
⇒病名が心筋硬そくだと、元気にまかせて過労をかさねたのではないかと思い、
ガンだと、どうして早期発見できなかったのかと気にかかる。
・第一原則:「長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ」(「長い修飾語」)
・修飾語が短ければテンは必要ない。
例文2:AがBをCに紹介した。
・三つの修飾語が「紹介した」にかかっているが、テンは必要ない
・「Aが、Bを、Cに紹介した」と書いても誤解はないが、他の重要なテンとの区別がつかなくなる。
⇒重要でないテンはうつべきでない
例文3:私がふるえるほど大嫌いなBを私の親友のCにAが紹介した。
↑テンがなくても問題なし(「長い順」の原則どおりの場合)。
例文4:Aが私がふるえるほど大嫌いなBを私の親友のCに紹介した。
↑読みにくい。
例文5:Aが、私がふるえるほど大嫌いなBを私の親友のCに紹介した。
↑「Aが」のあとにテンをうつと読みやすい。
・第二原則:語順が逆順の場合にテンをうつ(「逆順」)
・テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すものであり、筆者の思想としての自由なテン。
(例文5の「Aが」は「強調」という主観があらわされている)
例文6:父は死んだ。
例文7:父は、死んだ。
・例文6はひとつの思想表現、例文7は二つの最小単位の思想をあらわしている。