- 作者: マーカスデュ・ソートイ,Marcus du Sautoy,冨永星
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/09/28
- メディア: 文庫
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マーカス・デュ・ソートイ 富永 星 訳 「素数の音楽」
第二章 <算術を構成する原子> メモ
<カール・フリードリヒ・ガウス>
・1777年、ドイツ生まれ。惑星ケレスの軌道の発見で科学界の寵児となるが、情熱を傾けて
いたのは数の世界のパターンを見つけることであり、「数学の天才」。・ガウスの数学界への最大の貢献は時計計算機の発明(modulo)。
・手計算では手に負えない大きな数について調べるときに本領を発揮する。
・人類は紀元前6500年頃には素数の特殊な性質に気づいていた
・自然界にも素数が登場する(17年蝉、13年蝉として知られている)・数学者は、数学の世界に存在するパターンや構造を発見したら、そのパターンがいつまで
も続くことを証明しなければならない。・数学における推測は、証明されてはじめて「定理」となる。
・証明を最初に用いたのは古代ギリシャ人。
<あらゆる数を素数で表せることの証明>
・素数でもなく、素数の積で表すことのできない、はみだしものの数の存在を仮定する。・あらゆる数を並べた時、最初に出てくるはみだしものの数を「N」とする。
・「N」は素数ではないため、もっと小さな二つの数「A」、「B」の積で表せるはず。
・「A」と「B」はいずれも「N」より小さいため、素数の積で表せるはず。
・「A」を素数の積として表したものと「B」を素数の積として表したものをすべて掛け
合わせると、元の数「N」になる。・「N」自体も素数の積で表せたことになるが、最初の仮定と矛盾する。
↓
「すべての数は素数であるか、素数の積として表せる」。
・素数は無数にあることが証明されいて、全てを数え上げることはできない。
ガウスの推測
・ガウスは適当な数「N」について、「1」から「N」までのあいだに素数がいくつくらい
あるかを見積もる方法を考えた。・「1」から「N」までの数では、log(N)につき一個の数は素数である。
(ここでlog(N)は、自然対数(eを底とする対数))⇒「1」から「N」までのあいだにある素数はざっとN/log(N)個と推測される。
・「1」から「N」までのあいだにある素数の個数を「π(N)」と書く。
・素数数え上げ関数は、素数自体は予測不可能なパターンであるにもかかわらず、右肩
上がりのカーブを描く。⇒数学界におけるもっとも驚くべき発見