- 作者: トランスナショナルカレッジオブレックス
- 出版社/メーカー: ヒッポファミリークラブ
- 発売日: 1991/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」
第一話 <M. Planck A. Einstein 「光は何者だ!」> メモ
1.4 小箱の中には何がある
・アインシュタインの「光量子仮説」
・波のエネルギーはその振幅により決まる。(波のエネルギーは振幅の二乗に比例する)
・E=nhνにより、エネルギーはhνの整数倍のとびとびの値しかとれない。
→光は波ではなく「E=nhν」というエネルギーをもった「粒」であり、nは光の粒の
”個数”を表す
1.5 光電効果
・光電効果の実験:金属に振動数の大きな光を当てると電子が飛び出す現象について
調べたもの・P.E.Aレナードによって実験され結果がまとめられた。
☆レナードの実験
・2枚の金属板を向かい合わせに置き、一方の金属板に電池のプラス、もう一方の金属板に
マイナス極を接続する。・マイナス極側の電極へ光を当てると、電子が光のエネルギーを得て表面から飛び出し、
プラス極側の電極へ引き寄せられ、回路に電流が流れる。
・レナードは、当てる光の強さ(振幅)や色(振動数)を変え、飛び出す電子の数や、
飛び出す勢い(電子1個のエネルギー)がどう変わるかを調べた。・電子1個の電荷が既知のため、「電子の数」は流れた電流の値からわかる。
・金属板AとBの間に電気で壁(バリヤ)を作り、電子がどの程度の壁を通り抜けられるか
で「電子1個のエネルギー」がわかる。
・実験結果
飛び出す電子の数 飛び出す電子1個のエネルギー 光を強くする 増える 変わらない 光の振動数を大きくする 変わらない 大きくなる
☆光電効果を光が「波」であるとして考えてみる・光を波と考えると、
光の明るさ → 波の振幅の高さ
振動数の大きさ → 波のうねる回数
・波のエネルギーは振幅に比例するため、光を強くすれば電子1個のエネルギーが増える
はずであるが、実験結果と矛盾する。・振動数は波の種類(色)を決めるだけでエネルギーとは無関係のはずなので、振動数が
電子のエネルギーに関わることはないはず。
☆光を「粒」として考える
・光を「粒」として考えると、光の強さ(波の場合の振幅)は「光の粒の数」で決まる。
・粒1つのエネルギーはhνと決まっているので、その数が多いほど光は強くなる。
・光の粒がたくさん飛んでくればたくさんの電子にぶつかり、「飛び出す電子の数は
増える」。
・光1粒のエネルギーはいつもhνで一定なので、光の粒の数には関係なく
「飛び出す電子1粒のエネルギーは変わらない」。・光のエネルギーはhνなので、エネルギーの大小は振動数νによって決まる。
→当てる光の振動数νを大きくすると飛び出す電子の数は変わらずに、電子1個の
エネルギーが大きくなる。
・ぶつかってくる光のエネルギーはE=hνであり、電子はそのエネルギーをすべて受け取り
飛び出すが、実際は物質の表面を通って飛び出すのにエネルギーpを使う。・電子のエネルギーは、
E=hνーp
となる。
・紫の光の場合
紫色の振動数 ν=0.8×10^15 [1/秒]
である。プランク定数は
h=6.62×10^-27 [エルグ・秒]
なので、この場合の光のもつエネルギーEは
E=hν=5.2×10^-12 [エルグ]
となる。実験からわかっている飛び出す電子のもつエネルギーEの数値は
5×10^-12 [エルグ]
でほぼ一致する。