ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

量子力学の冒険

量子力学の冒険

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

第三話 <W.Heisenberg> 「量子力学の誕生」メモ


・量子のスペクトルの強度を求める


・ボーア理論の利点、欠点

      振動数         
      n→小 n→大  光の強さ
古典力学  ×   ○   ○
ボーア理論  ○   ○   ×

・nが大きい時、古典力学でスペクトル強度は「単純な波の振幅の2乗」で求められる。
・光は波ではないので、求めていたのは「光の粒の個数」。

・nが大きい時、古典力学で「遷移の回数」(スペクトルの強度)を求めることができた。
・これを大枠として、nが小さいときの「遷移の回数」が求められる方法を見つける
 ⇒量子力学


・単振動を解くことでnが大きい時の水素原子のスペクトルの「遷移の回数」を求める。

ニュートン運動方程式

   F=mq''

  F :ある物体に働く「力」
  m :物体の「質量」
  q'':「加速度」


 加速度q''がわかる→速度q'がわかる→いつ、どこにいるかqがわかる


<電子の単振動>

   F=mq''    ①

 mは電子の質量で、実験により求まっている。


 力Fは次式となる。

   F=−kq     ②


  q:バネのつりあったところから測った「電子の位置」
  k:バネ定数


 ①、②式より

   −kq=mq''


 変形して

   q''+kq/m=0



 上式を単振動の運動方程式と呼び、この式から電子の位置qを求める。
 ⇒電子の位置を求めることは、単純な光の波ひとつひとつの「振幅Q(n、τ)」と
  「振動数ν(n、τ)」を求めること

 nが大きい時、この光の波の振幅の2乗|Q(n、τ)|^2が電子の遷移の回数になる。


・単純な波を表す記号を決める

   Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


  Q(n、τ):振幅
  ν(n,τ)  :振動数


・複雑な波は、単純な波のたし合わせなので、


   q=Σ[τ=-∞,∞]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


・「単振動の運動方程式」に「電子の位置を表す複雑な光の波の式」を代入して計算する。


 q''(qの2階微分)を求める

   
   q=Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


   q'=Σ[τ]i2πν(n,τ)Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


   q''=Σ[τ](i2πν(n,τ))^2Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


     =Σ[τ]−4π^2ν^2(n,τ)^2Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t



 このq''とqを単振動の運動方程式に代入する


   Σ[τ]−4π^2ν^2(n,τ)^2Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t

     +k/m(Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t)=0


 ここで、k/m=(2πν)^2=4π^2ν^2とする。

   Σ[τ]−4π^2ν^2(n,τ)^2Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t

     +4π^2ν^2(Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t)=0


   Σ[τ]4π^2(ν^2ーν(n、τ)^2)Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t=0



 この式が成り立つことを考える。


 4π^2(ν^2ーν(n、τ)^2)Q(n、τ)がτが−∞から∞まで、どんな場合でも
 全部0になれば、方程式が成り立つ。

 ⇒(ν^2ーν(n、τ)^2)かQ(n、τ)のどちらかが0


・(ν^2ーν(n、τ)^2)が0になる場合を考える。

・νはmとkによって決まる定数で、対してν(n、τ)は、

  「nという起動を回るτ回うねりの単純な波の振動数」

 なので、τによって無数の値をとる。
 

・τが1の場合、つまりν(n、1)^2=ν^2と決めると、τが1の時、
 振動数ν(n、1)は


  ν(n、1)=ν


となり、その時の振幅Q(n、1)は0でない値を持つことになる。


・τ=2、3、4・・・の場合は、(ν^2ーν(n、τ)^2)は0にならないので、
 Q(n、τ)は必ず0でなければならない。


・−ν(n、1)=−νの場合は2乗するとν(n、1)^2=ν^2と同じになるので


   −ν(n、1)


 も考えならければならない。


古典力学の場合、振動数ν(n、τ)は「整数倍」になっているので、−ν(n、1)は
 ν(n、−1)と等しく


   −ν(n、τ)=ν(n、−τ)


・τが1の場合とτが−1の場合に振幅Q(n、τ)は0でない値をもち、τがそれ以外の
 場合にQ(n、τ)は0になる。


  ν(n、1)=ν
  ν(n、−1)=−ν
  Q(n、1)≠0
  Q(n、−1)≠0
  Q(n、τ)=0 (τ≠±1)


・振幅と振動数を

   q=Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


 に代入して、


   q=Q(n、1)e^i2πνt+Q(n、−1)e^-i2πνt


 ⇒これが電子の位置を表す式