ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

 午前中は少し雨が降り、午後は回復したものの蒸し暑かった。

 読書して昼寝してチンク号に給油した。

量子力学の冒険

量子力学の冒険

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

第三話 <W.Heisenberg> 「量子力学の誕生」メモ


量子力学のかけ算を考える

   x=Σ[τ]X(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t

   y=Σ[τ]Y(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


をかけ算すると、

   xy=Σ[τ]Σ[τ']X(n;n−τ')Y(n−τ';n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


となる。


☆Heisenbergの式が「エネルギー保存則」を満たすことを確認する

・エネルギーの保存則(創造もされず破壊もされない科学法則)

   運動エネルギー  + 位置エネルギー=一定

     m(q’)^2/2  +   V(q)    = W


・単振動の場合、位置エネルギーV(q)はkq^2/2なので単振動のエネルギーは次式とな
る。


   W=m(q’)^2/2+kq^2/2


・q^2、(q’)^2がどうなるか考える。

   q=Σ[τ]Q(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


   q^2=Σ[τ]Σ[τ’]Q(n;n−τ’)Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


   q’=Σ[τ]i2πν(n;n-τ)Q(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


   (q’)^2=Σ[τ]Σ[τ’]−4π^2ν(n;n−τ’)ν(n−τ’;n−τ)

          Q(n;n−τ’)Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


・kの形を変える

   k/m=(2πν)^2=4π^2ν^2から、k=4π^2mν^2


 となる。


・エネルギーの式に代入して計算する。

   W=m/2Σ[τ]Σ[τ’]−4π^2ν(n;n−τ’)ν(n−τ’;n−τ)

          Q(n;n−τ’)Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t

     +(4π^2mν^2/2)Σ[τ]Σ[τ’]Q(n;n−τ’)

          Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


    =2π^2mΣ[τ]Σ[τ’]−ν(n;n−τ’)ν(n−τ’;n−τ)

          Q(n;n−τ’)Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t

     +2π^2mν^2Σ[τ]Σ[τ’]

          Q(n;n−τ’)Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


    =2π^2mΣ[τ]Σ[τ’]{ν^2−ν(n;n−τ’)ν(n−τ’;n−τ)}

             Q(n;n−τ’)Q(n−τ’;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


・単振動の振幅と振動数を求めたとき、nに関係なく

   「1コ内側に遷移した時の振動数はν」

   「1コ外側に遷移した時の振動数は−ν」


 であり、Q(n:n−τ)は、この2つの場合だけ値を持ち、あとは全部0であった。

   ν(n;n−1)=ν
   ν(n;n+1)=−ν
   Q(n;n−1)≠0
   Q(n;n+1)≠0
   Q(n;n−τ)=0 (τ≠±1)


 W=の式でQ(n;n−τ’)とQ(n−τ’;n−τ)が「どちらも」1コだけ遷移する
場合以外の項は全て0になる。


 τ’=1の場合

   Q(n;n−1)Q(n−1;n−2)  (τ=2)
   Q(n;n−1)Q(n−1;n−0)  (τ=0)

 
 τ’=−1の場合

   Q(n;n+1)Q(n+1;n+2)  (τ=ー2)
   Q(n;n+1)Q(n+1;n−0)  (τ=0)


 振幅Q(n:n−τ’)Q(n−τ’:n−τ)はこの4通りの場合しか値をもたない。
そのときの振動数は以下となる。

   ν(n;n−1)ν(n−1;n−2)=内・内=ν・ν=ν^2
   ν(n;n−1)ν(n−1;n−0)=内・外=ν・(−ν)=−ν^2
   ν(n;n+1)ν(n+1;n+2)=外・外=(−ν)・(−ν)=ν^2
   ν(n;n+1)ν(n+1;n−0)=外・内=(−ν)・ν=−ν^2


 上式をエネルギーの式に代入する。

   (τ’=1、τ=2)
 W=2π^2m(ν^2−ν^2Q(n;n−1)Q(n−1;n−2)e^i2πν(n;n-2)t

   (τ’=1、τ=0)
   +2π^2m{ν^2−(−ν^2)}Q(n;n−1)Q(n−1;n)e^i2πν(n;n)t

   (τ’=−1、τ=−2)
   +2π^2m(ν^2−ν^2)Q(n;n+1)Q(n+1;n+1)e^i2πν(n;n+2)t

   (τ’=−1、τ=0)
   +2π^2m{ν^2−(−ν^2)}Q(n;n+1)Q(n+1;n)e^i2πν(n;n)t


 第1項と第3項が消える。

   W=4π^2mν^2Q(n;n−1)Q(n−1;n)e^i2πν(n;n)t

      +4π^2mν^2Q(n;n+1)Q(n+1;n)e^i2πν(n;n)t


 ν(n;n)は、nからnへの遷移なのでν(n;n)=0となる。

   e^i2πν(n;n)t=e^i2π0t=1


 よって次式となる。

   W=4π^2mν^2{Q(n;n−1)Q(n−1;n)

             +Q(n;n+1)Q(n+1;n)}


 複素共役を使う。

   Q(n−1;n)=Q*(n;n−1)
   Q(n;n+1)=Q*(n+1;n)


   W=4π^2mν^2{Q(n;n−1)Q*(n;n−1)

             +Q*(n+1;n)Q(n+1;n)}


 さらに

   Q(n−1;n)Q*(n;n−1)=|Q(n−1;n)|^2
   Q*(n+1;n)Q(n+1;n)=|Q(n+1;n)|^2


 なので、次式となる。

   W=4π^2mν^2{|Q(n−1;n)|^2+|Q(n+1;n)|^2}


 これが単振動のエネルギー。

 この式には時間tが含まれていないため時間変化せず、エネルギー保存則が成り立って
いる。


 単振動のエネルギーの式に光の強さを代入すると

   |Q(n;n−1)|^2=hn/(8π^2 mν )


   W=4π^2mν^2{|Q(n−1;n)|^2+|Q(n+1;n)|^2}

    =4π^2mν^2{hn/(8π^2 mν )+h(n+1)/(8π^2 mν )}

    =4π^2mν^2×h/(8π^2 mν )(n+n+1)

    =hν(2n+1)/2

    =hν(n+1/2)

 となる。


 Bohrの振動数関係ν=(Wn−Wm)/hを満たすか確認する。


   ν(n;n−1)=(W(n)−W(n-1))/h

           =(hν(n+1/2)−hν(n−1+1/2))/h

           =ν


 単振動の場合「1コ内側に遷移した時の振動数はν」なので、Bohrの振動数関係を満たす。


・Heisenbergの方法で計算した「エネルギー」は「エネルギーがみたさなければならない
条件」をすべて満たしていた。

・この「エネルギー」はqが「電子の位置」ではないため、古典力学のエネルギーとは
異なるが、「エネルギー保存則」と「Bohrの振動数関係」を満足する。

 ⇒量子力学のエネルギー