雨が降ったり止んだりの一日だった。期日前投票に行って、読書した。
- 作者: トランスナショナルカレッジオブレックス
- 出版社/メーカー: ヒッポファミリークラブ
- 発売日: 1991/08
- メディア: 単行本
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トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」
第三話 <W.Heisenberg> 「量子力学の誕生」メモ
<マトリックス>
・Heisenbergの数式はマトリックスで表すことができる。
・マトリックスの横の並びを「行」、縦の並びを「列」、一つ一つの数を「要素」という。
・マトリックスは一般に Ann'と書く。
・古典力学では単純な波のたし合わせ(q=Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t)は位置
になる。・量子力学の「遷移成分のたし合わせ(q=Σ[τ]Q(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t)」
には意味がない・一つの遷移成分 Q(n;n−τe^i2πν(n;n-τ)t を考え、qはこの遷移成分の集まり
と考える。
⇒マトリックスで表すことができる
・n−τをn’と書くことにすると、遷移成分は次式で表せる。
Qnn’e^i2πνnn'τ
・上記をマトリックスqのnn’要素qnn’とすると、マトリックスqは以下となる。
|q11 q12 q13 ・・・|
|q21 q22 q23 ・・・|
q=|q31 q32 q33 ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・|
・このマトリックスqを量子力学における「位置」と呼ぶ。
・位置qがマトリックスになるので、量子力学のことばは全てマトリックスで表される。
☆マトリックスが満たすべき条件
量子力学の振幅の性質
Q(n;n−τ)*=Q(n−τ;n)
をマトリックスで表すと、
Qnn’=Qn’n
となる。
このことよりマトリックスqがもつ性質を調べる。
マトリックスqの要素qnn’は
qnn’=Qnn’e^i2πνnn'τ
であり、この複素共役をとる。
qnn’*=Qnn’*e^-i2πνnn'τ
Qnn’*=Qn’n、−νnn’=νn’n(−ν(n;n−τ)=ν(n−τ;n)を
今使っている記号で表したもの)だから、qnn’*=Qn’ne^i2πνn'nτ
=qn’n
つまり、
qnn’*=qn’n
となり、これをマトリックスで書くと以下となる。
|q11 q12 q13 ・・・| |q11* q21* q31* ・・・|
|q21 q22 q23 ・・・| |q12* q22* q32* ・・・|
|q31 q32 q33 ・・・|=|q13* q23* q33* ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・| | ・ ・ ・ ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・| | ・ ・ ・ ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・| | ・ ・ ・ ・・・|
・対角線を中心に行と列を入れ替えて複素共役を取ったマトリックスが、元のものと等しく
なるようなマトリックスを「エルミマトリックス」と言う。
⇒物理量は全て、エルミマトリックスで表せる
☆計算ルール
・マトリックスの足し算:「要素ごと」の足し算をする
q=Σ[τ]Q(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t
q’=Σ[τ]i2πν(n;n-τ)Q(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t
d |q11 q12 ・・| |q’11 q’12 ・・|
― |q21 q22 ・・|=|q’21 q’22 ・・|
dt| ・ ・ ・・| | ・ ・ ・・|
| ・ ・ ・・| | ・ ・ ・・|
|i2πν11Q11e^i2πν11t i2πν12Q11e^i2πν12t・・|
=|i2πν21Q21e^i2πν11t i2πν12Q22e^i2πν22t・・|
| ・ ・ ・・|
| ・ ・ ・・|
・かけ算
|x11 x12 ・・| |y11 y12 ・・|
x=|x21 x22 ・・| y=|y21 y22 ・・|
| ・ ・ ・・| | ・ ・ ・・|
| ・ ・ ・・| | ・ ・ ・・|
を使用して一般的に書くと、
|x11y11+x12y21 ・・ x11y12+x12y22 ・・|
xy=|x21y11+x22y21 ・・ x21y12+x22y22 ・・|
| ・ ・ ・・|
| ・ ・ ・・|
|Σ[n]x1nyn1 Σ[n]x1nyn2・・|
=|Σ[n]x2nyn1 Σ[n]x2nyn2・・|
| ・ ・ ・・|
| ・ ・ ・・|
となり、マトリックス要素(xy)nn’は、
(xy)nn’=Σ[n'']xnn''yn''n'
となる。
マトリックスx、yが
xnn’=Xnn'e^i2πνnn't
ynn’=Ynn'e^i2πνnn't
の場合は次式となる。
(xy)nn’=Σ[n'']Xnn''e^i2πνnn''t・Yn''n'e^i2πνn''n't
=Σ[n'']Xnn''・Yn''n'e^i2π(νnn''+νn''n')t
振動数の性質 νnn''+νn''n'=νnn' を使うと次式となる。
(xy)nn’=Σ[n'']Xnn''・Yn''n'e^i2πνnn't
これはHeisenbergが決めた、かけ算のルールと同じ。
「Heisenbergの計算方法」
q=Σ[τ]Q(n;n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t
↓
F=mq’’
↓
∫pdq=nh
↓
Q、νが求まる
「マトリックスの計算方法」
|q11 q12 q13 ・・・|
|q21 q22 q23 ・・・|
|q31 q32 q33 ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・|
| ・ ・ ・ ・・・|↓
F=mq’’
↓
∫pdq=nh
↓
Q、νが求まる