ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

宇宙自然教室

 宇宙物理学者ローレンス・クラウス教授のNHK白熱教室を見た。理論的なことだけでなく、宇宙のスケール感や物理学者がどのような方法で問題を解いてるか(些末を切り捨てて本質を見抜く)を講義していて興味深かった。

 宇宙の約73%はダークエネルギー、約23%はダークマターでできていて(どちらも解明されていない)、我々人類や全銀河を含めた通常の物質は、残りのたった4%を占めるのみとのことだ。

 日常の生活に追われていると足元しか見えていないけれど、想像を絶するアホみたいな宇宙のデカさを目の当たりにすると、人間なんてちっぽけなもんだなと思わされ、細かいことにくよくよしてても仕方がないなと思えてくる。

NHK白熱教室 宇宙自然教室
第1回宇宙のスケールを体感する
 〜空間・時間・物質〜 メモ

宇宙論におけるフィールド
 空間・時間・物質

 宇宙の広がりを理解する

・空間
 日常:均等目盛りのものさし

 地球〜太陽 1億5千万km

 大きな数を扱うには10の累乗のものさしを使う

 0.1=10^ー2
 1  =10^0
 10 =10^1
 100=10^2


 観測可能な宇宙のスケール
 10^28〜10^ー28

 10^0m 人間

 10^7 m 地球全体のスケール
 10^9 m 月の軌道
 10^10m 地球が4日で移動する距離
 10^12m 木星の軌道のスケール
 10^13m 太陽系のスケール 100億km
 10^14m
 10^16m およそ1光年(恒星間の典型的な距離)
 10^19m 1000光年 
 10^21m 渦巻き銀河のおおきさ
 10^23m 局部銀河群 重力で結びついている
        →銀河団、超銀河団より大きいものは形成されない
 10^26m 初期宇宙 プラズマ状態 初期宇宙は観測できない 


 COBE衛星 マイクロ波を観測 地球から見た銀河を撮影した


 銀河系の中心にはブラックホールがある
 太陽の100万倍の質量
 密度が高く、光でも脱出できない

 深宇宙

 銀河には密度の高い領域と低い領域がある

 銀河の分布には構造がある


 10^ー1m  人間の手
 10^ー2m  肌の構造
 10^ー3m  
 10^ー4m  細胞
 10^ー5m  細胞の大きさ
 10^ー6m  細胞の中の細胞核
 10^ー7m  DNAらせん構造
 10^ー9m  原子や分子
    ー11m 原子内部(原子の中は原子核以外はほとんど空間)
    ー13m 原子核
    ー14m 陽子、中性子
    ー15m 陽子(素粒子クオーク)から成る)
         量子力学、相対論
         粒子性、波動性をもつ
         仮想フィールド 重さが生まれ、原子核が安定する
    

  大型ハドロン衝突型加速器 高速の99。99%まで加速
  →ヒッグス粒子の発見


・重力 最も弱い力

・電磁気力 重力よりも10^40強い

・弱い力

・強い力 クオークの間に働く力 最もつよい力

量子力学で理解可能になった

強い力と弱い力は原子核のスケールでのみ働く

電磁気力と重力は質量のない粒子がになう
弱い力と強いちからは質量をもつ粒子がになう


<物質>
レプトンクオークから成る

電子、陽子、中性子で原子ができる


<時間>
宇宙の年齢10^17びょう 百億歳

原子のたんじょう 10^10

原子核の誕生 1秒後
陽子の誕生  1/1000秒後
ヒッグス粒子の誕生 10^ー12



第2回 物理学者の秘密のお仕事
〜物事をおおざっぱに捉える〜メモ

・複雑な世界を研究する物理学者の道具

・複雑さを無視する
 →普遍的な法則にたどり着く


・物事をおおざっぱに捉える

・牧場の生産性を上げる
・牛を丸と考える

・科学では何も記憶する必要がない

半径rの級の体積を求める

体積(V)〜R^3
半径の三乗に比例する
表面積は 〜R^2

皮膚にかかる圧力 体重/表面積

R=1(ふつうの牛)
R=2(すーぱー牛)

体重 〜R^3=8倍
表面積〜R^2=4倍

圧力=8/4=2倍 単位面積あたりにかかる圧力が2倍

純化しても大事なことは理解できる


<太陽>
・太陽を丸と考える
・重力と内部の圧力がつりあっている

・太陽のエネルギー源
 石炭だとすると太陽の寿命は1万年

 核融合で100億年燃え続ける
 太陽は光、ニュートリノを作り出す


 予測の1/3しか検出されなかった
 ニュートリノの性質が変わっていた


・数のとらえ方

 a^n×a^m=a^(n+m)


 すべての数はk×10^nで表せる

 3142=3.142×10^3

 232×556=2.32×10^2×5.56×10^2

 1.4×10^5 指数が重要


<次元解析>
・物理における三つの次元
 長さ、時間、質量

 cm 長さ
 g  重さ
 s  時間


 距離の次元:長さ
 時間   :時間
 速さ   :長さ/時間


 L、T、M
 LとCは光速、TとMはプランク定数で結びつけられる
 →次元を減らすことができる



第3回 宇宙膨張 驚異の発見 
ダークマターへの道のり〜 メモ

・宇宙膨張の発見(エドウィン・ハッブル 1929年)
 宇宙観の変化につながった
 多くの銀河があることを発見した(別の銀河がある)
 それらの銀河は我々の銀河から遠ざかっている
 
 V(銀河が遠ざかる速度)
    =H(ハッブル定数)×d(銀河までの距離)
 
 遠くの銀河が遠ざかる速度はその銀河までの距離に比例する
 バッブル定数

 どこを中心にしても膨張の仕方は同じ


 ドップラー効果:光にも起きる

 遠ざかってゆく物体からの光は引き延ばされ赤みがかってみえる
 →赤方偏位

 スペクトルの帯が長い方(赤い方)へずれる
 銀河のせきほうへんいを調べれば銀河が遠ざかる速度がわかる

 速度
 見た目の明るさは距離の2乗に反比例して減少する
 標準光源(本来の明るさがわかる星)


 超新星爆発 ふつうの星の100億倍の明るさで輝く

 ?a型超新星

 原子は超新星が作り出した
 炭素、窒素、鉄、リンはビッグバンでは作られなかった
 (ビッグバンで生まれたのは水素、ヘリウムのみ)


・宇宙に始まりがある
 ハッブル定数
 H=100 km/秒/Mpc

 Mpc:100万後年

 100万光年の距離にある銀河の遠ざかる速度100km/秒
 宇宙の膨張速度

 Hは1/時間の次元をもつ
 1光年:10^18cm
 km=10^5cm
 H=1/3×10^17s=1/10^10

 1年は3×107
 10^10は宇宙の年齢


<宇宙の終わり>
・膨張は永遠に続くのか、収縮するのかは宇宙のエネルギーを知れば
 わかる


・エネルギー

 トマス・ヤング
 ある物体のエネルギー変化亜はその物体に対して行われた仕事に等しい

 ΔW(仕事量)=F(加えた力)×ΔD(移動距離)


 F=m(質量)×a(加速度)


 ΔW=m×a×d=m×Vf/t×1/2×Vf×t

=1/2×m×Vf^2

 加速度は最終速度を移動時間でわる
 

位置エネルギー

 ニュートンの重力(万有引力)の法則

 F=G×m×M/R^2

 G:重力定数
 m:物体1の質量
 M:物体2の質量
 R:二つの物体間の距離
 
 ΔW=F×R=ーG×m×M/R 位置エネルギー

 位置エネルギーは基準点を変えると値が変わる

 位置エネルギーの基準点は無限遠

 E=1/2mV^2ーGmM/R


運動エネルギーと位置エネルギーの総量は保存される

・ネーターの定理
物理法則がある変換に対して変化しないならば必ず保存される
何らかの量がある

エネルギー


 E>0 永遠に遠ざかる
 E<0 戻ってくる


 銀河がVで遠ざかり、距離がRとする

 E=1/2xmV^2-GmM/R


 銀河の質量を知る

 ティコ・ブラーエ→ヨハネス・ケプラー

 太陽を回る惑星の公転速度Vの2乗は距離に反比例する
V^2〜1/R

 F=mxa=mV^2/R

V^2=(GxM)/R


 ニュートンから100年後、キャベンディッシュが重力定数を測定した

 重力定数がわかれば、地球の質量がわかる(月の公転を観測)
 太陽の質量もわかる

 2×10^41kg

 宇宙の色々な重さをはかるためにニュートンの式を使ってもとめることができる

 銀河の重さをはかる
 銀河系の太陽の位置、太陽の公転速度 2億年に一周
 秒速200km

 2×10^41kg

 銀河系の星の数:いっせんおくこ

 銀河系の恒星の公転速度は銀河の中心からの距離に依存しないことが
 わかった→ダークマターの発見




第4回 そしてダークエネルギーの発見 
〜私たちのみじめな最後〜 メモ


ダークマター

 単純な論理の積み上げて成し遂げられた発見

 思考方法 些末を捨て本質に迫る


 銀河系の公転速度

 ニュートンの式から公転速度を予測すると、銀河系から遠いほど
公転速度が遅くなる

 現実は速度が一定

 原因:重力の法則が銀河系の場所により異なるのでは?
    →No

 原因:遠いところほどひっぱる質量が増えるのでは?


 ヴェラ・ルービン:遠い天体でも公転速度一定を検証した


 測定したすべての銀河で公転速度は一定だった

 すべての銀河とその周辺には通常の物質の10倍の未知の物質が漂っている
 →ダークマター(未知の素粒子


 銀河団の質量をまるごと測定したい
 1000万光年のスケール

 1936年 サイエンス紙

 アインシュタイン 

 1916年 重力で空間がまがり光もそれにそって曲がる
 アーサー・エディントンが実証した


 大きな質量の背後に光がある場合、大きな質量がレンズのような
はたらきをする 重力レンズ効果


 重力レンズ効果で銀河団の重さをはかることができる


 重力レンズ効果で、手前の銀河団のおくにある銀河を見ることができる


 光の間借りをたどり逆にどんなレンズがあるかを計算できる

 どこにどれだけの質量があればよいか

 銀河の間にも質量がある 目に見えるものの40倍の質量がある

 宇宙の質量のほとんどは目に見えない

 ダークマターが物質を引き寄せている
 物質はダークマターが存在するところに集まっている


 陽子と中性子の量の10倍の物質がある
 →ダークマター素粒子にちがいない

 ダークマターの量から宇宙の

 銀河をひきとめるのに必要な量の30%しかなかった

 運動エネルギーが位置エネルギーよりも3倍大きい
 →宇宙は永遠に膨張する(のちに間違いとわかった)

 E>0 OR E<0

 2E/m=V^2ー2GM/R^2


 2E/mR^2=H^2ー8πG/3xρ


一般相対性理論の式

 ーk/R^2=H^2ー8πG/3xρ

 k=宇宙の曲率

 k<0開いた宇宙、 E>0 永遠に膨張

 k>0閉じた宇宙、 E<0 収縮に転じる

 k=0平坦な宇宙、 E=0


 ダークマターの量で開いた宇宙と結論した


 宇宙の曲率を直接測定できないか?
 宇宙マイクロ波背景放射を観測する
 
 137億光年先を見ればビッグバンが見える
 現実にはできない

 宇宙が10万さいの頃は3千度だった 原子をバラバラにする温度
 プラズマ状態 光を通さない


 宇宙がブラズマ状態だったところの境目が見える

 最終散乱面

 宇宙マイクロ波背景放射
 ビッグバン直後の電波

 物質のムラの大きさの見え方から曲率がわかる
 →結果、平坦な宇宙 曲率はゼロ 宇宙のエネルギーがゼロ

 運動エネルギーと位置エネルギーが同じ

 宇宙が無から始まった

 宇宙をつくるにはエネルギーも必要なかった


 通常の物質とダークマターの総量は宇宙の曲率をゼロにするのに
ひつような量の30%しかない

 のこり70%の正体は?


 宇宙の膨張速度の減速具合を調べた
 遠いほど膨張速度は早くなる
 宇宙の膨張は加速している

 空間にエネルギーが満ちていると斥力が働く
 膨張速度は加速する


 70%の正体はダークエネルギーだった


 73%:ダークエネルギー
 23%:ダークマター
  4%:通常の物質


 ダークエネルギーの正体はまったくわかっていない

 宇宙誕生直後くの時間と空間に結びついている


 我々の未来
 ダークエネルギーの密度が一定なら宇宙は指数関数的に膨張する
 物体の速度は距離に比例して増し、ある距離を越えると光速より速くなる

 光よりはやく空間を移動することはできない
 空間は光速を越えられる

 物体が180億光年はなれると光より速く遠ざかる
 
 時間がたてばたつほど見えるものがなくなる

 2兆年後には自分の銀河以外は見えない

 さらに遠い宇宙には銀河の星々も燃えつき冷たく暗くなる