- 作者: ファインマン,富山小太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/02/07
- メディア: 単行本
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第10章 色覚 メモ
10-1 人間の眼
・光は角膜を通って目に入り、眼の背後の網膜とよばれる層に像をつくる。
・網膜は完全に一様ではない。
・視野の中心に、ものをひじょうに注意して見ようとするときに使われる部分が
あり、(中心)窩、黄班と呼ぶ。
・網膜中にはすべての情報を運ぶ神経が外に出て行く部分があり、盲班という。
・盲班は網膜上で光に感じない部分
・網膜周辺の近くで密につまっているのが桿状体
・黄班のごく近くでは円錐体の細胞が多く、内部では円錐体の細胞のみになる
・視野の中心では円錐体でものを見て、周辺に行くに従い桿状体が働く
・各細胞からの情報が逐一脳に送られるのではなく、網膜内ですでにある種の
情報は、いくつかの受容器からの情報を総合することにより要約されている。
10-2 光の強さで変わる色
・暗闇に眼が慣れる視覚は、桿状体によるもの。
・明るい光に対する視覚は円錐体によるもの。
・桿状体はスペクトルの青い部分によく感じ、円錐体は深い赤光に感じる。
・暗いところでは、円錐体から桿状体へ仕事を受け渡す。
・明るい光の中では赤いほうが青い方にくらべずっと明るかったとしても、暗い
ところでは完全に逆に見える⇒プールキンイエ効果
10-3 色感の測定
・円錐体の視覚の最も特徴的なものは色。
・スペクトル分布のどのような特性がいろいろな感覚を生ずるのか
・全く同じ視覚効果を生ずるスペクトル分布はただ一つ特定のものに限らない
・いろんな色はそれぞれ、さまざまのフィルターを通る光を、ただ一つの方法では
なく多くの方法で混ぜ合わせてつくることができる。
・二つの色の間で一度整合が成り立てば、同じ状況のもとではその後も依然として
整合し、ほかの色混合の場合にも、一方を他方で置き換えられる。
・どんな色でも必ず三つの異なる色からつくられる。
・三つのちがう色の光なら、どんなものでもそれらを適当にまぜることにより
任意の色を作り出せるか・あらゆる混合で正の量だけで済むような3色はない
・どんな3色の組み合わせでも、ある色に対して負の量が必要になる。
・この意味で原色を一通りにきめる方法はない。
10-5 色覚の機構
・眼の中に光を受け取る3種の異なる色素があり、それらがそれぞれ異なる
吸収スペクトルをもつ・三つの領域においてそれぞれ異なる量の吸収がおき、これら3種の情報が
どの色になるかを決定する。