ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理学Ⅱ 光 熱 波動

ファインマン物理学〈2〉光・熱・波動

ファインマン物理学〈2〉光・熱・波動

第16章 ブラウン運動 メモ

16-1 エネルギーの均等配分

ブラウン運動:分子運動による一つの効果

・最初の粒子が仮想的な小球と衝突するとすれば3kT/2のエネルギーをもつ
べきであり、小球の気体をとり去って同じ温度の水の分子と衝突するときも、
3kT/2のエネルギーをもたなかればならない。


・弾道電流計
 回転のエネルギー Iω^2/2


 位置エネルギー V=αθ^2/2


 固有振動数 ω0=2π/t0


 位置エネルギー V=Iω0^2θ^2/2


 位置エネルギーの平均 kT/2


   Iω0^2<θ^2>=kT/2


   <θ^2>=kT/Iω0^2      (16.1)


・ジョンソン雑音:熱雑音にともなう雑音

   <VL^2>=Lω0^2kT       (16.2)


・抵抗器の中の電子が抵抗器の中の物質と熱平衡状態にあるので、じぐざぐな
運動をし、電子の密度にゆらぎを生じる。


・抵抗器で発生した雑音はあらゆる振動数をもっている。

・P(ω)dωを、発生器が振動数の領域dωの範囲で、同じ抵抗器に送り込む
電力であるとすると

   P(ω)dω=2kTdω/π    (16.3)


となり、電力は抵抗に無関係になる。


16-2 輻射の熱平衡

・荷電粒子が光をだすことなしに、平衡状態を保つことは不可能


・1秒間に振動体から輻射されるエネルギーの計算

   −dW/dt=ω0W/Q=ω0Wγ/ω0=γW    (16.4)


  γ:減衰振動

  ω0:振動体の固有振動数


 1秒間に輻射されるエネルギーは、振動体のエネルギーのγ倍になる。


・1秒間に輻射されるエネルギーの平均値はkTのγ倍になる

   −<dW/dt>=γkT        (16.5)



   γ=ω0/Q=2r0ω0^2/3c     (16.6)


・振動数がω0に近い光が1秒間に輻射される平均の割合

   −dW/dt=2r0ω0^2kT/3c     (16.7)


・振動体にどれだけ多くのエネルギーをあてねばならないか
 ⇒輻射される光が箱の中の振動体にあたる光から散乱されるもに見合うもの


 I(ω)dω:単位時間中に、ある単位面積を通過する光の中で、振動数ω、
その範囲dωの中にある部分のエネルギー(スペクトル分布を表す)


 再輻射される全体の量は、入射光の強さIdωに断面積σをかけたもに

   σs=8πr0^2/3(ω^4/( (ω^2−ω0^2)^2+γ^2ω^2)) (16.8)


 σsは固有振動数ω0のごく近くでだけ相当な大きさとなる。


   σs=2πr0^2ω0^2/3[(ω−ω0)^2+γ^2/4]     (16.9)


 全エネルギー

   −dWs/dt=∫[0,∞]I(ω)σs(ω)dω


  =∫[0,∞]2πr0^2ω0^2I(ω)dω/3[(ω−ω0)^2+γ^2/4] (16.10)


 dWs/dt=3γkTとおく

   2πr0^2ω0^2I(ω0)/3∫[0,∞]dω( (ω-ω0)^2 +γ^2/4))=3γkT
                               (16.11)


   I(ω0)=9γ^2kT/4π^2r0^2ω0^2     (16.12)



   I(ω)=ω^2kT/π^2c^2     (16.13)


・高温の炉から出る光のエネルギー分布を与える(レイリーの法則):黒体輻射

・振動体のもつ電荷、質量、その他振動体に特有な性質はすべて消えてしまう

・平衡は、何と平衡状態にあるかに無関係で、ただ温度だけできまるという命題
の重要な裏付け

・古典理論ではX線の量がとてつもない量になると予測され、黒体の出す
エネルギー分布を正しく説明することが不可能


16-3 エネルギーの均等配分と量子振動体

・古典理論では振動数の低いほうでは曲線は正しいが、振動数の高い側では
間違ってくる

・温度が低すぎ、振動数も高すぎると、振動体のエネルギーは平均としてkTに
ならない。


・単振動する振動体は一度にhωのエネルギーしかやりとりできない。

・単振動体の許されるエネルギー順位はhω0だけ離れて等間隔に分布

・エネルギーEの準位を占める確率P(E)はαe^-E/kT

・熱平衡の状態にある振動体の平均エネルギー、黒体輻射と平衡状態にあるものの
のエネルギーの求め方

 ⇒すべての振動体の全体のエネルギーを計算し、それを振動数の数で割る


・N0を基底状態の振動体の数、N1をエネルギーE1の状態にある振動体の数
・・・とする

・エネルギーE1の状態にある数N1は、基底状態にある数N0にe^-hω/kTをかけた
もの。

e^-hω/kT=xとすると、N1=N0x、N2=N1x^2、・・・Nn=N0x^n

・全振動体の総エネルギー E全=N0hω(0+x+2x^2+・・・)


 全体の振動数体の数 N全=N0(1+x+x^2+・・・)


 平均のエネルギー<E>

   <E>=E全/N全=N0hω(0+x+2x^2+・・・)/N0(1+x+x^2+・・・)
                               (16.14)


   <E>=hω/(e^hω/kT−1)             (16.15)


黒体輻射における光のエネルギー分布

   I(ω)dω=hω^3dω/(π^2c^3(e^-hω/kT−1)   (16.16)