- 作者: ファインマン,富山小太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/02/07
- メディア: 単行本
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第23章 唸り メモ
23-1 二つの波を加えること
・異なる振動数をもつ波源からくる波の干渉によっておこる現象を考える
・振動数がわずかちがう二つの波源があるとすると、ゆっくり脈動する強さの
振動が現れる
・二つの波があるとし、cоsω1t、cоsω2tとし、和を求めると
cоsω1t+cоsω2t
=2cоs(ω1+ω2)t/2cоs(ω1−ω2)t/2 (23.6)
・振動数ω1とω2の二つの波を加えたとき、平均の振動数(ω1+ω2)/2の
合成波が得られ、その強さは振動数のω1−ω2で振動する
・二つの振幅が異なる場合
A1e^iωt+A2^e^iωt
=e^(1/2)i(ω1+ωi)t[A1e^(1/2)i(ω1-ωi)t
+A2e^(1/2)i(ω1-ωi)t (23.7)
23-2 唸りの音と変調
・(23.7)式で表される波の強さ
I=A1^2+A2-2+2A1A2cоs(ω1−ω2)t (23.8)
・強さは振動数ω1−ω2で大きくなったり小さくなったりする。
・最大値(A1+A2)^2と最小値(A1-A2)^2の間で変化する。
23-3 側帯波
・変調波は次式で表される
S=(1+bcosωmt)cоsωct (23.9)
ωc:搬送波の振動数
ωm:可聴音の振動数
S=cоsωct+(1/2)bcos(ωc+ωm)t
+(1/2)bcos(ωc−ωm)t (23.10)
・第1項が搬送波で、第2項、第3項が側帯波
・送信機は、ある範囲の振動数の波、搬送波の振動数に極大の振動数を加えた
ものと引いたものの中に含まれる変調信号を送り出す
23-4 局在する波連
・変調の伝搬速度は波の速さと等しくない
vM=ω1−ω2/(k1−k2) (23.16)
・変調波の速度は群速度とも呼ばれ、振動数の差が比較的小さい場合、極限に
おいてvg=dω/dk (23.17)
に近づく
・遅い変調、遅い唸りに対しては波の位相速度とは違った速さで進む
・群速度はωのkに対する微分係数として与えられ、一方位相速度はω/kとなる
・群速度は変調された信号が伝達される速さ
・群速度は
vg=c/(1+a/ω^2) (23.18)
となり、cより小さいため、位相は光の速さcよりも早く進むが、変調された信号
はもっとゆっくりと進む。