ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理Ⅱ 光 熱 波動

ファインマン物理学〈2〉光・熱・波動

ファインマン物理学〈2〉光・熱・波動

第25章 ハーモニクス メモ

25-1 音楽

・雑音(騒音):近くにある物体の不規則な振動により生ずる鼓膜の一種の
        不規則な振動に対応するもの

・音楽:持続ずる音あるいは楽音の存在が特徴

・空気の圧力という点からみたとき、音楽が雑音と違うのは周期性があること

・音楽の三つの特性:大きさ、高さ、音質

 大きさ:圧力変化の大きさに対応

 高さ :基本的な圧力関数で繰り返しの時間に対応

 音質 :繰返される図形の構造に関係


・振動する弦を往ったり来たりする波の繰り返しの時間は、波が弦の2倍の長さ
を完全に伝わるのに必要な時間Tに等しくなる。


25-2 フーリエ級数

・周期Tの任意の周期関数f(t)は数学的に次のように表される

   f(t)=a0

        +a1cоsωt+b1sinωt

        +a2cоs2ωt+b2sin2ωt

        +a3cоs3ωt+b3sin3ωt

        +  ・・・  +  ・・・       (25.2)


  ω=2π/Tで、a,・・・,b・・・はf(t)の振動の中に各成分の振動が
 どれほど多く含まれているかを示す定数


・(25.2)の級数をf(t)に対するフーリエ(Fourier)級数という。


25-4 フーリエ係数

1 ∫[0,T]sinnωt・cоsmωtdt=0    (25.11)


2 ∫[0,T]cоsnωt・cоsmωtdt=0(n≠m)、T/2(n=m) (25.12)


3 ∫[0,T]sinnωt・sinmωtdt=0(n≠m)、T/2(n=m) (25.12) 


4 f(t)=a0+Σ[n=1,∞]ancоsnωt+Σ[n=1,∞]bnsinnωt
                              (25.13)


5 a0=(1/T)∫[0,T]f(t)dt     (25.14)


  an=(2/T)∫[0,T]f(t)・cоsnωtdt   (25.15)


  bn=(2/T)∫[0,T]f(t)・sinnωtdt   (25.16)


・(25.13)を複素数表示すると次式となる

   f(t)=Σ[∞,-∞]cne^inωt    (25.17)


 係数cnは

   cn=(1/T)∫[0,T]f(t)e^-inωtdt   (25.18)


 で与えられれ、a0、an、bnとcnの関係は

   a0=c0、an=cn+c-n、bn=(cn−c-n)/i (n?1)


・周期的な波を正弦波、余弦波の成分に解析する方法をフーリエ解析、個々の
項はフーリエ成分とよばれる。


25-5 エネルギーの定理

・波のエネルギーは振幅の2乗に比例する

   ∫[0,T]f^2(t)dt

         =∫[0,T][a0+Σ[n=1,∞]ancоsnωt

           +Σ[n=1,∞]bnsisnωt]^2dt (25.22)


         =Ta0^2+(T/2)Σ[n=1,∞](an^2+bn^2) (25.23)


・波の全エネルギーがフーリエ成分のエネルギーの総和になっている。


26-6 非線型の応答

・装置が線型の場合

   xout(t)=Kxin(t)    (25.4)


 Kはtにもxinにも無関係な定数


・装置が近似的には線型であるが、厳密には線型でない場合

   xout(t)=K[xin(t)+εxin^2(t)]    (25.25)


 εは1に比べて小さな量


・xin=cоsωtとおく

   xout=K(cоsωt+εcоs^2ωt)    (25.26)


      =K(cоsωt+ε/2−(ε/2)cos2ωt)  (25.27)


・応答(出力)はゆがみ、純音ではなくハーモニクスをもつ

・応答の中には入力の基本振動数成分だけでなく、その第二のハーモニクス
成分も含む

・定数項Kε/2は平均値のずれに対応するもので、平均値のずれる仮定を
整流作用とよぶ

非線型の応答は、整流作用をし、入力の振動数のハーモニクスをつくる


非線型の応答から生ずるもう一つの効果は変調

・入力関数が二つ(あるいはそれ以上)の純音を含むとき、出力はそれらの
ハーモニクスだけでなく、ほかの振動数の成分を含む

・xin=Acosω1t+Bsinω2tとし、ω1とω2は調和の関係にない

 1次の項(入力のK倍になるもの)に加え、出力の中に

   xout=Kε(Acosω1t+Bsinω2t)^2     (25.28)


      =Kε(A^2cos^2ω1t+B^2cos^2ω2t

          +2ABcosω1tcоsω2t)    (25.29)


 で与えられる成分が含まれている。


・積の項Bcosω1tcоsω2tには二通りの見方ができる

(a)二つの振動数が大幅に違っていると(ω1>ω2の場合)、この積の項は振幅が
変化する余弦振動を表す

   ABcosω1tcоsω2t=C(t)cоsω1t    (25.30)

 ただし

   C(t)=ABcosω2t    (25.31)


 このとき、cоsω1tの振幅がω2の振動数で変調されているという


(b)積の項を次のように書ける

   ABcosω1tcоsω2t

       =(AB/2)[cоs(ω1+ω2)t+cоs(ω1−ω2)t] (25.32)


 今度は二つの新しい成分ができた。一つは和の振動数(ω1+ω2)をもち、もう
一方は差の振動数(ω1−ω2)をもつ。


・ω1>ω2の場合は(ω1+ω2)も(ω1−ω2)も大体等しいので両者の間に唸りが
観測される。

・この唸りは平均の振動数ω1の振動の振幅を、差の振動数2ω2の半分で変調する
効果をもつ

非線型の応答は、整流作用、ハーモニクスの発生、変調、和および差の振動数
をもつ成分の生成などの効果をもつ