- 作者: ファインマン,富山小太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/02/07
- メディア: 単行本
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第27章 物理法則の対称性 メモ
27-1 対称の操作
・物理学的世界の働きを支配する基本法則に内在する対称性
・対称性の定義:あるものに対してなんらかの働きかけをし、その後、やらない前
と全く同じに見えるとき、それが対称であるという。・種々の物理現象を不変にする既知の操作リスト
空間中の平行移動
時間中の移動
固定角だけの回転
直線上の一様な速度
(ローレンツ変換)
時間の反転
空間の鏡映
同種の原子或いは同種の粒子の交換
量子力学的位相
物質と反物質(電荷共役)
27-2 空間と時間における対称性
・物理学の法則は大きさを変えた場合、不変ではない。
・一様な角速度で回転している系での法則は、回転していない系での法則と
見かけ上ちがっている。
・物理学の法則は時間に対して可逆的ではない。
・この不可逆性は、関与する粒子の数がひじょうに多いことによる・基本的な物理学の法則は、微視的なまた基本的な段階にあっては、時間に関して
完全に可逆である。
27-3 対称性と保存則
・量子力学では、対称性の各法則に対し、それぞれ保存則が対応する
・空間における平行移動に対して物理法則が対称である事実は、量子力学の原理
をつけ加えると、運動量の保存を意味する・空間におけるある角度の回転に対して不変であることは角運動量の保存に対応
する。・物理学の法則は、波動関数の位相を任意の定数だけずらしても変わらない。
27-4 鏡映
・物理学の法則が鏡映に対して対称であるか。
・空間の鏡映は物理法則の対称性の一種であり、ただすべて右と左とを交換した
場合、違いはない
27-5 極性ベクトルと軸性ベクトル
・一つのベクトルが他のベクトルの鏡映になるものを極性ベクトルとよぶ
・鏡映により変化しないベクトルを軸性ベクトルとよぶ
27-7 パリティは保存しない
・量子力学的における鏡映対称の原理より、同じ粒子が二つの仕方のとちらででも
崩壊することはできない。
⇒パリティ(Parity)の保存則
27-8 反物質
・”反”は、反対の電荷をもつことではなく、いくつかの性質があり、そのすべて
が反対
・ふつうの物質の右手系に関する情報は、反物質の左手系に関する関係と対照的
である