- 作者: ファインマン,宮島龍興
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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第6章 色々の場合の電場
6-1 静電ポテンシャルの方程式
∇~・E~=ρ/ε0 (6.1)
∇~×E~=0 (6.2)
E~=−∇φ (6.3)
式(6.3)を(6.1)に代入すると
∇~・∇~φ=−ρ/ε0 (6.4)
∇~・∇~φ=∇^2φ=∂^2φ/∂x^2+∂^2φ/∂y^2+∂^2φ/∂x^2 (6.5)
∇^2φ=−ρ/ε0 (6.6)
ρがx、y、zの関数として既知の場合、点(1)のポテンシャルは
φ(1)=∫ρ(2)dV2/4πε0r12 (6.7)
ρ(2)は点(2)の電荷密度、dV2は体素、r12は(1)、(2)間の距離。
6-2 電気双極子
・距離dだけ離れた点電荷+q、−qをとり、電荷を結ぶx軸をとり、その中点に
原点をとる。二つの電荷のポテンシャルはφ(x,y,z)=1/4πε0[q/√([z-(d/2)]^2+x^2+y^2)-q/√([z+(d/2)]^2+x^2+y^2)
(6.8)
・接近した1対の電荷を双極子という。
・二つの反対の電荷が小距離dだけ離れているときの場
ポテンシャルφは
φ(x,y,z)=(1/4πε0)(z/r^3)qd (6.9)
その微分としての場は、電荷×距離qdに比例する。
この積を二つの電荷の双極モーメントといい、記号pで表すp=qd (6.10)
・双極子の軸と、点(x,y,z)へのベクトルとの間の角θを導入すると
z/r=cоsθなので、式(6.9)はφ(x,y,z)=(1/4πε0)pcоsθ/r^2 (6.11)
とも書かれる。
・双極子のポテンシャルは軸に対して定まった角の方向では1/r^2のように減少する。
したがって双極子の電場E~は1/r^3に比例して減少する。・大きさpで、双極子の軸の方向をもち、q-からq+へ向かうベクトルP~を定義
するとpcоsθ=P~・er~ (6.12)
双極ポテンシャル φ(r~)=(1/4πε0)P~・er~/r^2
=(1/4πε0)P~・r~/r^3 (6.13)
6-11 高圧破壊
・突起の近くの場はほかの所よりずっと大きくなる
・電荷ができるだけ導体面上にひろがろうとし、鋭い突起の先端は、面の大抵の所
からできるだけ遠いから。
・先端にくる電荷はわり合い少量でも、面密度は大きくなる。
・左側の球が半径aで、電荷Qをもつとすると、そのポテンシャルは大体
φ1=(1/4πε0)Q/a
小球の半径b、電荷qとすると、そのポテンシャルは
φ2=(1/4πε0)q/b
φ1=φ2なので
Q/a=q/b
表面のところの電場は面電荷密度に比例するので、面密度は全電荷を半径の2乗で
わったものに比例する。Ea/Eb=(Q/a^2)/(q/b^2)=b/a (6.35)
従って小球の電場の方が強く、電場は半径に逆比例する。