ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学

ファインマン物理学〈3〉電磁気学

ファインマン物理学〈3〉電磁気学

第13章 静磁場 メモ

13-1 磁場

電荷に働く力は電荷のある場所だけでなく、動く速さにも関係する。

・空間の各点に特有な二つのベクトル量があり、任意の電荷に与える力を決定する。

・電場E~:電気力は電荷の運動に無関係な力の成分を与る。

・磁気力B~1:空間のどの特定の点でも、力の方向と大きさがどちらも粒子の運動
方向に依存する。どの時刻にも力はいつも速度ベクトルに垂直。どの地点においても
力は空間の定まった方向に直角。力の大きさはこの決まった方向に直角な速度成分
に比例する。


電荷に働く全電磁力は

   F~=q(E~+v~×B~)    (13.1)


 これをローレンツ力という。


・磁場B~の単位はニュートン・sec/クーロン・mで同じ単位はボルト・sec/m^2でも
ある。これをウェーバー/平方メートル(Wb/m^2)とも呼ぶ。


13-2 電流;電荷の保存

・電流とは、電子などの電荷がうごいて正味の移動つまり流れをつくるもの。

・電流密度をベクトルj~で表す。

・小面積⊿sをとると、この面を単位時間に流れる電気量は、

   j~・n~⊿s    (13.2)


 nは⊿sに垂直な単位ベクトル。


・電流密度は電荷の平均電流と関係する。

・平均運動が速度vの移動であるとする。
 この分布が面素⊿sを通るので時間⊿tに面素を通る電荷⊿qは、⊿sを底面とし
 高さv⊿tをもつ平行六面体内にある電荷に等しい。この体積はvに直角な⊿sの
 射影にv⊿tをかけたものに等しく、それに電荷密度ρをかけると⊿qになる

   ⊿q=ρv~・n~⊿s⊿t


 単位時間あたりの電荷はρv~・n~⊿sで、これから

   j~=ρv    (13.3)


 が得られる。電荷がq、平均速度vとすると電流密度は

   j~=Nqv~    (13.4)


 ここにNは単位体積あたりの電荷の数。


・任意の面Sを単位時間あたりに通る全電荷を電流Iという。

   I=∫sj~・n~ds    (13.5)


電荷は無くならず、保存される。


   ∫[任意の閉曲面]j~・n~ds=−d/dt(Q内部)    (13.6)


 内部にある電荷電荷密度の体積分として表される。

   Q内部=∫[S内のV]ρdV    (13.7)


・小体積⊿Vに適用すると、左辺の積分は∇・j~⊿Vに等しい。内部の電荷はρ⊿V
なので、電荷の保存は次式のようにも書かれる。

   ∇・j~=−∂ρ/∂t     (13.8)


13-3 電流に働く力

・電流は針金に沿って速度v~でうごく荷電粒子からできていて、各電荷の感じる力
は速度に垂直で

   F~=qv~×B~


 単位体積内にN個の荷電粒子があれば、小体積?V内の数はN⊿V。
 体積⊿Vに働く磁気力の合力⊿F~は各電荷のうける力の和である。

   ⊿F~=(N?V)(qv~×B~)


 Nqv~はj~なので

   ⊿F~=j~×B~⊿V     (13.9)


 単位体積あたりの力はj~×B~


・電流が針金の断面積Aにわたり一様であれば、体(積要)素として底面積、長さLの
筒をとることができる。

   ⊿F~=j~×B~A⊿L    (13.10)


 j~Aを針金のベクトル電流I~と呼んでよいので、

   ⊿F~=I~×B⊿L    (13.11)


 針金の単位長さあたりの力はI~×B~となる。


・針金がその内部の電荷の運動のために受ける磁気力は、全電流だけに関係し、
電荷のもつ電気料にも、符号にも無関係。


13-4 定常電流のつくる磁場;アンベールの法則

・静磁気の方程式

   ∇・B~=0    (13.12)


   c^2∇×B~=j~/ε0    (13.13)


・静磁気は近似であり、多数の電荷が運動していて、電気の定常な流れで近似される
という特殊な動的状態に関わっている。


アンペールの法則

   ∲[Γ]B~・ds~=IΓを貫く/ε0c^2    (13.16)


13-5 直線電線とソレノイドの磁場;原子電流

・円筒形の断面をもつ長い、まっすぐな電線の外側の場を求める。

 B~の大きさは針金と同心な円上の点で同じ値もつ。B~・ds~の線積分はB~の
 大きさに円周をかけたものである。


   ∲B~・ds~=B・2πr


 ループを貫く全電流は針金の電流Iであるから、

   B・2πr=I/ε0c^2


 すなわち

   B=(1/4πε0c^2)2I/r    (13.17)


 磁場の強さは針金の軸から距離rの逆数で小さくなる。ベクトル形でかくと

   B~=(1/4πε0c^2)2I×er~/r    (13.18)


・因子1/4πε0c^2は正確に10^-7に等しい。 


・ソレノイドが直径に比して非常に長いとき、外部の場は内部に比べて非常に小さい。

 全電流はNIで、ここにNは長さLのソレノイドの巻き数。

    B0=NI/ε0c^2


 nを単位長さのソレノイドの巻き数とすると(nはN/L)

    B0=nI/ε0c^2    (13.19)


・ソレノイドの端でB~の線はひろがって、もう一つの端からソレノイドに戻る。