
- 作者: ファインマン,レイトン,サンズ,戸田盛和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: 単行本
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第2章 空洞共振器 メモ
2-2 高周波におけるキャパシター
・キャパシータに低周波のACを極板に加えた場合、キャパシターは磁場
B=(iωr/2c^2)E0e^iωt (2.5)
をもつため、磁場も振動し、その強さはrに比例する。
変化する磁場が存在すると、電場が誘導され、インダクタンスのような
振る舞いをする。
一様な電場をE=E0e^iωtとし、補正した電場を
E=E1+E2
と書く。
E2(r)=(−ω^2r^2/4c^2)E0^iωt (2.7)
を得る。誘起電場は外方の電場を弱める傾向にある
補正された電場E=E1+E2はE=E1+E2=(1−(1/4)(ω^2r^2/c^2))E0^jωt (2.8)
式(2.5)は第1近似でB1とする。
B1=(iωr/2c^2)E0^iωt (2.9)
B1はE1の変化により作られたもので、正しい磁場はE1+E2の変化で
作られたものである。磁場をB=B1+B2と書けば、第2項はE2によって
作られる磁場である。B2(r)=(−iω^3r^3/16c^4)E0^iωt (2.11)
電場の補正を続けると
E=E0e^iωt[1−(1/(1!)^2)(ωr/2c)^2+(1/(2!)^2)(ωr/2c)^4
−(1/(3!)^2)(ωr/2c)^6+・・・・] (2.15)
となる。
キャパシターの極板の間の電場は、任意の電場に対してE0eiωtとωr/cだけを
変数として含む無限級数との積として与えられる。
式(2.15)の括弧内の無限級数はJ0(x)と呼ばれる特殊関数を定義するもの。
J0(x)=1−(1/(1!)^2)(x/2)^2+(1/(2!)^2)(x/2)^4
−(1/(3!)^2)(x/2)^6+・・・・ (2.16)
上記の解はE0e^iωtとこの関数(x=ωr/c)との積として書ける。
E=E0e^iωtJ0(ωr/c) (2.17)
J0は円筒形の対称性をもつ波動に関する問題で現れる。
2-3 共鳴空洞
・周波数をどんどん高くしたとき、キャパシター極板間の電場を与える解を調べる。
・xが増大するにつれ、J0は正と負の間で振動し、その振動の振幅は段々と小さく
なる。・周波数を充分高くすれば、コンデンサーの中心の電場の向きに対して、端の近く
の電場は逆向きになり得る。・周波数を非常に高くすると、キャパシータの中心から遠ざかるにつれ電場は何回も
あちら向き、こちら向きと振動する。での電場に関連した磁場も存在する。↓↓↓
・電場に対し極板の表面に電荷があり、磁場に対し逆起電力があるので、これは
共鳴回路である。
・ωa/cを2.405よりも少し大きくとる。薄い金属板をとり、キャパシターの
極板の間隔にちょうど合う幅に切り取り、これを円筒状に曲げて電場がゼロに
なる半径のところに合うようにする。・電場と磁場を内部にもち、外部とは無関係な完全な円筒形の罐を得た。
・振動するEの場の振幅は罐じ軸からの半径と共に変化し、磁場は軸のまわりの
円筒に沿い、電場に対し90°だけずれた位相で振動する。・罐の波形が与えらえている時、電場と磁場は特別な周波数でのみ振動が持続する
半径rの円筒形の罐は、周波数ω0=2.405c/r (2.18)
に対して共鳴する。
・実際の罐では、壁の内部に存在する振動電流が材料の抵抗のためにエネルギーを
消費するので、場の振動は次第に減衰する。
2-4 空洞のモード
・罐内の振動のモードとして、多数の異なるモードがあり、それぞれ独特な、
複雑な電場と磁場との相当して 異なった共鳴周波数をもつ。
これらの場の配合の各々は共鳴モードと呼ばれる。