ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

宇宙のデザイン原理

宇宙のデザイン原理―パリティ・ゲージ・クォーク

宇宙のデザイン原理―パリティ・ゲージ・クォーク

第6章 対称性がデザインを決める メモ
○一挙に導く
アインシュタインは対称性の威力を身につけ、それを重力理論に適用していった。
・基礎物理学は、19世紀物理学のシェーマではなく、アインシュタインのテーマに沿って研究されている。
→対称性から出発し、それからその帰結が観測と合致するかをチェックする。


○夜の森で
・電磁気力と重力の相互作用は、マクロな世界で顕著なものなので、それらに対する直感的に理解をもっている。

・原子や原子核のようなミクロな世界では様子が違う。
・量子物理学が扱う新しい相互作用がミクロな世界を支配し、その相互作用にたいしてわれわれの直感はきかない。


第7章 作用のないところ メモ
最小作用の原理に基づく定式化
 自然の内的論理によりふさわしい定式化で、ニュートン微分方程式による定式化に対するオルタナティブ


微分型>
ニュートンの定式化では、各時刻における粒子の位置に注目する。
・ある瞬間と次の瞬間との間の物理量の差を扱うことから微分型と呼ばれる
・この変化を記述する方程式が「運動方程式

<作用による定式化>
・粒子がたどる軌道に注目し、他の軌道ではなく、その軌道が選び取られた理由を考える。

・作用による定式化のほうが、自然の基本デザインである対称性をとらえる上で都合がよい


○急いでいる光
・空気や水のよな透明な媒質の境界では、光が曲がる。

フェルマの原理>
・光はその目的地への軌道として、もっとも時間がかからないものを選び取る

・光は空気中よりも水中の方が遅いので、全体の距離は長くても水中での距離が短くなる軌道を選ぶ(全体として到達時間が最小となる軌道をとる)


○作用のないところ
・時刻tAに粒子が点Aを出発し、時刻tBに点Bに到達する過程を考える。
・作用原理による定式化では、AB間で可能なすべての軌道を考えるだけでなく、AB間で起こりうるさまざまな運動状態も含めて考えねばならない
・経歴:ある軌道上をさまざまな仕方で運動している様子を時間的にプロットしたもの
・作用原理による定式化では、すべての可能な経歴が考慮されねばならない
・各経歴に対し、「作用」と呼ばれる数値が割り当てられる。
・作用原理は、粒子が実際にたどるのは、最小の作用の経歴であると主張する。


・物理学は、作用原理を使うことにより定式化できる。


○聖なる導き
・作用原理による定式化は、より簡潔で美的に洗練されているが、ニュートンの定式化と全く同等

・作用原理による定式化では、粒子のたどる軌道を比較するという、構造的な見方がとられている。


○ナプキンの上の世界
・作用原理は物理学全般に適用できる。

運動方程式が複雑で数が多い場合でも、作用は一つの式で表現される。
・全物理的世界がただ一つの作用によって表現される。
・宇宙に関するすべての理論を、一枚のナプキン上に書き付けるのが物理学の夢


○不変な作用
・作用原理は「物理的実在の構造」ということの意味を明らかにするもの。


・方程式は不変であるというよりも共変である
 →式に含まれている物理的な量は変化して、その量の間の構造的関係は変わらない。


運動方程式とは対照的に、作用はローレンツ変換のもとで不変に留まる。
・物理学がある対称性をもつということは、その対称性に付随する変換のもとで作用が不変であること
・各観測者ごとの観測の相違は問題にならななくなる。
・作用は物理学的実在の構造を体現している。


微分方程式で書かれている場合、多くの運動方程式のもつ共変性を調べる必要がある。
・作用原理に基づいて定式化されている場合、作用の不変性を調べるだけでよい。


○作用を考えること
・作用原理に基づく定式化は、量子物理学の記述に自然な形でなじむ。