ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理学Ⅳ 電磁波と物性

ファインマン物理学〈4〉電磁波と物性

ファインマン物理学〈4〉電磁波と物性

第17章 弾性 メモ

17-1 フックの法則

・変形の原因になっている力をとり除くと、もとの大きさと形に戻る特性をもつ物質の性質を取扱うのが弾性の問題

<弾性>
・物質の一片を押せば、それに従い物質は変形する。
 力が十分小さければ、物質の各部分の相対変位は力に比例する。


・長さl、幅w、高さhの長方形の物体を考える。
 両端に力Fを加えて引くと、その長さは⊿lだけ増加する。
 長さの変化はもとの長さに比べずっと短いと過程する。

 多くの物質について伸びが充分小さい時、伸びは力に比例する

   F∝⊿l     (17.1)


 棒の伸び⊿lは、その長さにも関係し、伸びのもとの長さに対する比⊿l/lを取扱う。
 この比は力に比例し長さにはよらない。

   F∝⊿l/l     (17.2)


 力は断面積にも∝する。
 一定の伸びに対する力は、その物体の断面積Aに比例する。

   F=YA⊿l/l    (17.3)


 定数Yはその物質の性質だけによるもので、ヤング(Young)率という。


 応力:単位面積あたりの力
 ひずみ:単位長さあたりの伸び率


   F/A=Y×⊿l/l    (17.4)

   応力=(ヤング率)×(ひずみ)


・物質を一方向に伸ばすと、伸びと垂直な方向には縮む
 幅の縮は幅wと⊿l/lに比例し、横方向の縮みは幅と高さとの両方について同じ。

   ⊿w/w=⊿h/h=−σ⊿l/l     (17.5)


 定数σ:ポアソン
     常に符号が正で、1/2よりも小さな数


・二つのYとσは、一様で等方的な(結晶ではない)物質の弾性的性質を完全に指定する。


・一般原則として、重ね合わせの原理が必要


17-2 一様なひずみ

・長方形の物体が一様な静水圧の下にあるときの現象
 静水圧は一様なので、物体の各面に働く応力(単位面積あたりの力)はすべて等しい。

問題1 物体の両端に圧力pを加えて押す。圧縮のひずみはp/Yで、これは負なので、

   ⊿l1/l=−p/Y


問題2 物体の二つの横の面に圧力pを加えて押し、長さ方向のひずみを求める。横方向のひずみは、

   ⊿w/w=−p/Y


なので、

   ⊿l2/l=+σp/Y


問題3 物体を上方から押す。圧縮のひずみはp/Yであり、横方向のひずみはσp/Yである。

   ⊿l3/l=+σp/Y


 これら三つの問題の結果を組み合わせ、⊿l=⊿l1+⊿l2+⊿l3を作ると

   ⊿l/l=−p(1−2σ)/Y     (17.6)


 が得られる。三つの方向すべてに対称なので、

   ⊿w/w=⊿h/h=−p(1−2σ)/Y   (17.7)


 となる。


・静水圧による体積変化はV=lwhなので

   ⊿V/V=⊿l/l+⊿w/w+⊿h/h


 式(17.6)と式(17.7)を使い

   ⊿V/V=−3p(1−2σ)/Y     (17.8)


 となる。⊿V/Vは体積ひずみと呼ばれ

   p=−K⊿V/V


 と書かれる。体積応力pは体積ひずみに比例する。
 係数Kは体積弾性率でこれは他の定数と

   K=Y/3(1−2σ)      (17.9)


 で関係づけられる。