ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

偉大なる宇宙の物語

ローレンスクラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ

偉大なる宇宙の物語 ―なぜ私たちはここにいるのか?―

偉大なる宇宙の物語 ―なぜ私たちはここにいるのか?―

 

ローレンス・クラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ

第12章 巨人たちの行進

・タウ中間子は崩壊して3個のパイ中間子になる。
・シータ中間子は2個のパイ中間子に崩壊する。
・タウ中間子とシータ中間子は、質量も寿命もまったく同じ。

・同じ粒子で崩壊のしかたが二種類あるとしても、弱い力が両方の崩壊を許すはずがない。


・電磁力と重力は、左右の区別がわからない。
・左右の定義は、人間の習慣により押しつけられたもの。


フェルミオンフェルミ粒子)はスピン1/2をもつ。
フェルミオンの集団のふるまいは、スピン1である光子のような粒子(およびスピン角運動量の値が0、1、2、3など整数になっているすべての粒子)とは異なる。
フェルミオンのペアを記述する数学的な「波動関数」は「反対称」だが、光子のペアを記述する波動関数は「対称」。
→ある粒子を別の粒子に入れ替えると、フェルミオンを記述する波動関数は符号が逆になる。光子のような粒子の場合は、入れ替えでも波動関数は変化しない。


・「パリティ」は、ある系が反転したとき(左右が入れ替えられたとき)の全般的な特性。
・崩壊を支配する力が左右を識別できないのであれば、その崩壊により系量子状態のパリティが変わることはない。
・崩壊後の粒子の入れ替わりのもとで系の波動関数が反対称であるなら、その系は「負」のパリティをもつ。
・この場合、崩壊する粒子のもともとの量子状態を記述する波動関数は、負のパリティを持たねばならない(左右が入れ替わっていれば波動関数の符号は逆になる)。


・正のパリティと負のパリティの違い
→きれいな球形のボールは、鏡に映してもまったく同じに見えるため、”正”のパリティをもつ。
 人の手は鏡に映すと性質が変わる(左右反転する)ので、負のパリティをもつ。


・2個のパイ中間子は(-1)^2=1で正のパリティをもつ。
・3個のパイ中間子がある系は(-1)^3=-1で負のパリティをもつ。
→粒子が崩壊してもパリティが変わらないとすれば、もともと1個の粒子がパリティの異なる2種類の最終状態に崩壊することはありえない。
・崩壊を生じさせる原因となっている力が、ほかのすべての既知の力(電磁力や重力)と同じようにふるまうなら、この力はパリティの違いはわからないため、系のもともとのパリティが崩壊後に変わるはずがない。


パリティ・ダブリング
 素粒子パリティが逆どうしのペアになっているという説


・左右の区別をつけられる力が自然界の中にある。
弱い相互作用が左右を区別するとしたら、1個の粒子が異なるパリティの状態に崩壊できる。


・電磁相互作用は、2つの異なる電流(カレント)の間に働く力。
・それぞれの電流は、2つの別々に運動している電荷に対応し、その電荷電荷が相互作用する。
弱い相互作用も同じように考えることができる。
・一方のカレントにある中性子が相互作用のあいだに陽子に変わると、もう一方のカレントから電子とニュートリノが出て行く。
フェルミ弱い相互作用では、二つの異なるカレントは1点で相互作用する。
弱い相互作用におけるカレントでは、ある種類の粒子が空間を進むとともに、別の種類の粒子に変化できる。


弱い相互作用におけるカレントが利き手を持つのならば、弱い相互作用は左右を区別できるので、鏡の中の世界での弱い相互作用は、われわれのいる世界でのそれとは異なる力になる。


弱い相互作用のV-A理論
・電子はどちらにも回転できるが、V-A相互作用が数学的に意味するのは、左巻きのカレントで運動している電子だけが弱い力を「感じ」て中性子崩壊に関わることができる。右巻きのカレントはこの力を感じない。
ニュートリノが感じるのがこの弱い力だけで、ほかの力は感じない。
弱い相互作用に関わるニュートリノのカレントが1種類しかない。
・これまでの実験で右巻きのニュートリノはひとつも観測されていない。
→自然界におけるパリティの破れを明白に実証している。