ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

偉大なる宇宙の物語

ローレンス・クラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ

偉大なる宇宙の物語 ―なぜ私たちはここにいるのか?―

偉大なる宇宙の物語 ―なぜ私たちはここにいるのか?―

 

ローレンス・クラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ

 

第20章 真空を叩く

ゲージ粒子のWとZの観測>
ゲージ粒子のWとZの質量は、理論上陽子の質量の約90倍。
・粒子を静止質量の何倍ものエネルギーに加速することで、エネルギーを質量に変えられる。
・その粒子をターゲッットに激突させ、何が出てくるかを見ればよい。
・WボソンやZボソンのような重い粒子を生成できるだけのエネルギーを得るに到達するには、二つの反対方向の粒子ビームを衝突させる必要がある。
・確実に陽子と反陽子ビームの中の陽子が出会うよう、それぞれを十分に圧縮させ、強力な磁石で進行方向の舵取りをしないと衝突は起こらない。


・陽子は1個以上のクォークでできているので、1回の陽子と反陽子の衝突でも、たくさんのことがおこる。
・W粒子とZ粒子が見つかるとしても、直接観測されることはなく、その崩壊を通じて観測される。


CERNの実験で電弱理論のゲージボソンは発見された。


ヒッグス粒子の質量は理論からでは固定されない。
ヒッグス粒子は物質にもゲージボソンにも結合する。
・その結合により、自然界に存在するとされる背景のヒッグス場がゲージ対称性を破り、W粒子とZ粒子だけでなく、電子、ミュー粒子、クォーク、およそすべての標準模型素粒子ニュートリノと光子は例外)に質量を与える。


ヒッグス粒子の存在が意味するもの>
・目に見えない背景の場が、空間のあらゆるところに存在していなければならない。
・あらゆる粒子が基礎的な理論では質量ゼロ。
・それらの粒子は、背景のヒッグス場と相互作用するため、運動に一種の抵抗を感じるようになり、進む速さが光速よりも遅くなる。
・ひとたび光速より遅くなれば、その時点で粒子のふるまいは、質量を以ているかのようなふるまいとなる。


・自然界に新しい場を想定する場合、どんな場であれ、そこには少なくとも一種類の新しい素粒子の存在が必要。
・そうした空間全体に広がる背景の場が存在するとすると、どうすればその粒子が生成されるのか?
→真空を叩く
・空間内のある一点に十分なエネルギーを集中させれば、現実のヒッグス粒子が励起して出現するので、それを測定する。


ヒッグス粒子がほかの粒子に質量を与えるのであれば、ヒッグス粒子が最も強く相互作用した粒子は、最も大きな質量を獲得する。
・最もヒッグス粒子を吐き出しそうな粒子は、最も質量の大きな入射粒子。
・十分に高いエネルギーを備えた加速器であれば、仮想の粒子であれ現実の粒子であれ、ヒッグス粒子を吐き出す重い仮想粒子を生成できる。
→陽子を十分に高いエネルギーまで加速し、その陽子に十分に重い仮想粒子を生成させ、それにヒッグス粒子を生成させる。