ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

サピエンス全史

ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ 

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

 ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ

第3部 人類の統一
第9章 統一へ向かう世界

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【まとめ】
・文化とは神話と虚構からなる人工的な本能のネットワークで、その信念・規範・価値観の内部 矛盾を解消する試みにより絶えず変化し、維持される。
・単一のグローバル化の進展は、多種多様な人々や生活様式が緊密に結びつき、無数の形で互い に影響を与え合っている。
・紀元前1000年紀に普遍的な秩序となる可能性をもつものが三つ登場した。
 ①貨幣(経済的)
 ②帝国(政治的)
 ③普遍的宗教の秩序
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・文化:神話と虚構からなる人工的な本能のネットワーク
・どの文化にも典型的な信念や規範、価値観があるが、それらは絶えず変化している。
 →環境の変化、近隣文化との交流、自らの内的ダイナミクス
・人間の手になる秩序はどれも、内部矛盾に満ちている。
・文化は絶えず矛盾の折り合いをつけようとし、この過程が変化に弾みをつける。


・中世ヨーロッパ貴族は、キリスト教と騎士道の両方を信奉していた。
・解決の試みの一つが十字軍の遠征。
アーサー王や聖杯の物語など、中世の芸術や文学のかなりの部分を生み出すことになった。


・近代政治秩序も、また別の例。
フランス革命以降、互いに矛盾する、”平等”と”個人の自由”の両方を根本的な価値と見なすようになった。
・1989年以降の政治史はすべて、この矛盾を解消しようとする一連の試みだった。
・19世紀ヨーロッパの自由主義政権は、個人の自由を最優先した。
共産主義の平等主義の理想は、日常生活のあらゆる側面を支配しようと試みる残酷な専制政治を生み出した。


・矛盾はあらゆる人間文化に不可分な要素であり、それは文化の原動力であり、私たちの種の創造性と活力の源泉。
・認知的不協和:どの文化に属す人間も必ず、矛盾する信念を抱き、相容れない価値観に引き裂かれる
・認知的不協和は、必須の長所。
・矛盾する信念や価値観なしに、人類文化を打ち立て維持することはおそらく不可能。


★歴史は統一に向かって進み続ける
・人類文化はたえず変化しているが、歴史には方向性があるのか?
・答えは、ある。
・何千年もの間に、小さく単純な文化が、より大きく複雑な文明に少しずつまとまっていった。
・世界に存在する巨大文化の数はしだいに減り、巨大文化のそれぞれがますます大きく複雑になった。
・数千年を見渡す視点に立てば、歴史は統一に向かい執拗に進み続けている。


・歴史の大半を通じ、地球は孤立して散在する無数の人間社会の一大星雲だった。
・紀元前1万年  :何千もの社会があった
 紀元前2000年:数百~数千の社会
 1450年   :さらに激減
大航海時代の直前だった当時、人類の9割近くがアフロ・ユーラシア大陸という単一の巨大世界に暮らしていた。
・その後300年間に、アフロ・ユーラシア大陸は、他の世界をすべて呑み込んだ。


アフロ・ユーラシア大陸という巨人が、呑み込んだものをすべて消化するまでに数世紀かかったが、この過程は逆転不能だった。
・今日、ほぼ全人類が同一の「地政学的制度」、「経済制度」、「法制度」、「科学制度」を持つ。


・単一のグローバル化は、同種のものからなるわけではない。
・多種多様な人々や生活様式が見られるが、みな緊密に結びついており、無数の形で互いに影響を与え合っている。


・独自に発展し、外部の影響を免れた古代の地元の伝統から成るものをさして「純正」というのであれば、地上には純正な文化は一つとして残つていない。


★グローバルなビジョン
・グローバルな統一の最も重要な段階は、過去数世紀の間に展開した。
 (数々の帝国が発展、交易がさかんになった)
・普遍的秩序という概念が根付いたのは、紀元前1000年。


ホモ・サピエンスは、人々は「私たち」と「彼ら」の二つに分けられると考えるよう進化した。
 「私たち」:すぐ身の回りにいる人の集団
 「彼ら」 :それ以外の人全員
・自分が属する種全体の利益に導かれて社会的な動物はいない。
・認知革命を境に、ホモ・サピエンスはこの点で例外的な存在になっていった。
・紀元前1000年紀に普遍的な秩序となる可能性をもつものが三つ登場した
 ①貨幣(経済的)
 ②帝国(政治的)
 ③普遍的宗教の秩序(仏教、キリスト教イスラム教など)
・①~③の信奉者たちは、一組の法則に支配された単一の集団として全人類を想像することができた。
・誰もが「私たち」になる可能性があり、「彼ら」は存在しなかった。
・「私たち vs 彼ら」という進化上の二分法を最初に超越し、人類統一の可能性を予見しえたのは、貿易商人や征服者、予言者だった。