ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

サピエンス全史

ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ 

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

 ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ

第3部 人類の統一

第13章 歴史の必然と謎めいた選択

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【まとめ】
・単一のグローバルな社会は人類史のダイナミクスの必然的結果であるが、その最終産物が、特 定の種類のグローバルな社会でなくてはならなかったわけではない。
・歴史を研究するのは未来予測ではなく、視野を拡げ、将来には多くの可能性があることを理解すること。
・歴史のダイナミクスは人類の境遇を向上させることには向けられておらず、進化と同じく、歴史は個々の生物の幸福には無頓着。
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・交易、帝国、普遍的宗教により、すべての大陸のすべてのサピエンスは、今日のグローバルな世界に到達した。
・多数の小さな文化
   ↓
 少数の大きな文化
   ↓
 単一のグローバルな社会
→人類史のダイナミクスの必然的結果
・グローバル社会の出現が必然的というのは、その最終産物が、特定の種類のグローバルな社会でなくてはならなかったわけではない。


1 後知恵の誤謬
・歴史はどの時点をとっても、分岐点。
歴史学者はあれこれ推測することはできるが、確実なことは何も言えない。
・「どのように」は詳述できても、「なぜ」かは説明できない。
・「どのように」を詳述すること:
 ある時点かから別の時点へとつながる一連の特定の出来事を言葉で再現すること
・「なぜ」を説明すること:
 その一連の特定の出来事を生じさせた因果関係を見つけること。


・当時生きていた人々が最も無知で、未来は霧の中。
・歴史の鉄則:後から振り返って必然に思えることも、当時はおよそ明確でなかったと。


・その時代の人にとり、あり得ない可能性がしばしば現実となる。
・そうしたことは、どんな決定論的な法則にも縛られていない。
・歴史は決定論では説明できず、混沌としているから予想もできない。
・歴史は「2次」のカオス系。
・2次のカオス系は、それについての予想に反応するので、正確な予想はけっしてできない。


・歴史を研究する理由:未来を知るためではなく、視野を拡げ、私たちの前には想像しているよりも多くの可能性があることを理解すること。


2 盲目のクレイオ
・歴史の選択は人間の利益のためになされるわけではない。
・歴史が進むことで人類の境遇が必然的に改善される証拠はない。
・人間に有益な文化が成功して広まり、有益でない文化は消えるという証拠もない。
→歴史が人類の利益のために作用している証拠がないのは、そのような利益を計測する客観的尺度がないから


・文化は一種の精神的感染症、あるいは寄生体。
・人間はその宿主になっている。
・文化的概念は人間の心の中に生きている。
・そうした概念は増殖して一人の宿主から別の宿主へ拡がり、ときおり宿主を弱らせ、殺すこともある。


・文化は精神的な寄生体で、偶然現れ、感染した人全員を利用する。
  ↓
 ミーム

ミーム学:生物の進化が有機的情報単位である「遺伝子」に基づくのと同じく、文化の進化も「ミーム」と呼ばれる文化的情報単位の複製に基づく
・自らのミームを繁殖させるのに長けた文化が成功する。
 (宿主である人間にとっての代償と便益には無関係)


ミーム学、ポストモダニズムゲーム理論であれ、歴史のダイナミクスは人類の境遇を向上させることには向けられていない。
・成功を収めた文化がホモ・サピエンスにとって最善のものだと考える根拠はない。
・進化と同じく、歴史は個々の生物の幸福には無頓着。


・西暦1500年ごろ、歴史は最も重大な選択を行い、人類だけでなく地上のあらゆる生命の運命を変えることになった。
  ↓
「科学革命」

・科学革命はヨーロッパ西部、アフロ・ユーラシア大陸西端の大きな半島で始まった。