小林晋平 「ブラックホールと時空の方程式」メモ
小林晋平 「ブラックホールと時空の方程式」メモ
第7章 重力は時空の曲がりである ~一般相対論~
7.1 特殊相対論から一般相対論へ
・特殊相対論:すべての慣性系において、あらゆる物理法則は形を変えない
・特殊相対論の一般化には「非慣性系同士の座標変換はどのようなものになるか?」を明らかにする必要がある。7.2 一般相対論の基本原理
・等価原理:慣性質量と重力質量は等しい
・慣性重量:ニュートンの運動方程式の左辺にある質量(ma=F)
・ここでの慣性は「惰性」と同じ意味。
・慣性=惰性=今の状態を持続し続けようとする性質
・重力質量:物体が重力に反応する度合いを示す量(f=GMm/r^2)
・慣性質量をmI、重力質量をmGとし、その比 mG/mI が異なれば、自由落下する際の加速度の大きさが物質ごとに異なることになる。
・すべての物質について慣性質量と重力質量の比が一定であると考えることが等価原理。
・重力は局所的(local)には加速度運動で消えるが、大域的(global)には消えない
・大域的に消せない重力のことを潮汐力という。
・現実世界の重力は一様ではなく、慣性系とは本質的に区別できてしまう非慣性系を考えざるを得ない。
・一般相対性原理:物理現象は、私たちが使う座標系にはよらない
・使う座標により物理法則が変わることはない。
・法則は座標によらない形、ベクトルのような幾何学的実在を使って表現するのが利口。
・一般相対性原理は、「あらゆる物理法則は、一般座標変換のもとで同じ形をとる」とも言い換えることが出来る。
7.3 曲がった時空と重力の類似性
・重力が局所的に消えることと、どんな曲がった図形でも局所的に平坦に見えることが対応している。
・任意の局所慣性系において、物理法則はすべて同じ形で表される。
・重力とは、曲がった時空がもつ性質の現れ。
・地球があることで周囲の時空が歪み、その曲がった時空を月は”まっすぐ”進んでいる。
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重力=時空の曲がり
7.4 「重力=時空の曲がり」と数式
・時空が曲がるのは物質が存在しているから。
・物質の質量やエネルギーが時空の曲がりの原因。
・時空の曲がり具合=物質の分布
・これを数式で表したのが「アインシュタイン方程式」。