ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ぽんこつエンジニ屋のDIYぷち発電プロジェクト

独立型小電力ソーラー発電システムを作ろう

<第一回> - 始動 -
1.背景

 CO2排出による温暖化が原因?とされる気候変動が問題になっていて、これまでの想定以上の甚大な災害も増えている。

 CO2の排出削減やエネルギー問題の対策実施を国や政府に投げつけるのもいいけど、結局は一人ひとりの取り組みが必要なはずだ。そもそもエネルギーを誰のために作っているのかといえば、一人ひとりの人間を生かすためだから。

 最後の最後は国による規制で強制的にやるしかないかもしれないけれど、まずは余計な電気は使わない、ご飯は残さず食べる、無駄なアイドリングをしない、などやれるこからはじめるべきかなと思う。

 
2.目的 

 焼け石に水ではあるけれど、パソコンやケータイ・スマホ、充電電池の充電くらいはソーラー発電システムからの発電で賄えないかなと思い、検討を始めた。

 ぷち発電程度では自己満足にすぎないけれど、面白そうそうだし、長期の停電の時には多少役に立つかもしれない。

 

3.ソーラー発電システム構成

 ネットでざっくり調べたところでは、AC100Vの家電製品を動かすとすると、「ソーラーパネル」+「バッテリー」+「インバータ」+「充放電コントローラ」が基本構成のようだ(図1-1)。

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      図1-1 独立型ソーラー発電システムの構成

 

 バッテリーにエネルギーを蓄えておき、負荷への電力供給はインバーター経由でバッテリーから行い、減った分をソーラーパネルで補充(充電)する。過充電や過放電の防止のためコントローラが必要だ。

 

 100Wクラスのソーラーパネルでシステムを構成した場合、4万円程度でできるようだ。

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www.solar-make.com

 

密林で見つけたソーラーシステムを構成する機器の一例

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  お試しで小さく始めようと思うので、50Wかそれより小さいソーラーパネルで組んでみるかな。

 

4.太陽電池の仕組み

 通販で部品をそろえれば、エイヤーですぐにシステムを作れてしまいそうだけど、使えない三流エンジニ屋くずれとしては、一応理論的なことも抑えつつ、ステップを踏んで仕様検討してから作りたい。

 まずは簡単に太陽電池のおさらいからはじめよう 。

 

太陽電池Wikipediaから引用)>
ja.wikipedia.org

太陽電池:光起電力効果を利用し、光エネルギーを電力に変換する電力機器

・一般的な一次電池二次電池のように電力を蓄える蓄電池ではなく、光起電力効果によって光を即時に電力に変換して出力する発電機

 ・シリコン太陽電池の他、様々な化合物半導体などを素材にしたものが実用化されている。

ソーラーパネル(ソーラーモジュール):太陽電池(セル)を複数枚直並列接続して必要な電圧と電流を得られるようにしたパネル状の製品単体

・ソーラーアレイ:モジュールをさらに複数直並列接続して必要となる電力が得られるように設置したもの

 

<原理>

太陽電池は、光の持つエネルギーを、直接的に電力に変換する。

・変換過程では熱・蒸気・運動エネルギーなどへの変換を必要としない。

太陽電池内部に入射した光エネルギーは、電子が直接的に吸収し、あらかじめ設けられた電界に導かれ、電力として太陽電池の外部へ出力する。

・光起電力は特異な現象ではなく、亜酸化銅、セレン等、半導体においては普遍性のある現象。

 

<pn接合型の場合>

・現在一般的な太陽電池は、p型とn型の半導体を接合した構造を持つ。

・大きなpn接合型ダイオード(フォトダイオード)。

・シリコン系、化合物系の太陽電池がこれに該当する。

発光ダイオードと逆の過程を通じて電子に光のエネルギーを吸収させ(光励起)、半導体の性質を利用して、エネルギーを持った電子を直接的に電力として取り出す。

 

<光起電力効果>

1.p型とn型の半導体を接合すると、接合部付近では伝導電子と正孔がお互いに拡散して結びつく拡散電流が生じる。

2.伝導電子と正孔が打ち消し合った結果、接合部付近にこれらキャリアの少ない領域(空乏層)が形成される。

 伝導電子と正孔をそれぞれn型、p型領域へ引き戻そうとする内蔵電場(および内蔵電場に従ってキャリアが動くドリフト電流)が生まれる。
3.熱平衡状態においては、拡散電流とドリフト電流が釣り合い、フェルミ準位は一定となる。
4.ここで半導体の禁制帯幅よりも大きなエネルギーを持つ光をpn接合に照射し、接合領域に於いて価電子帯の電子が光を吸収すると、禁制帯を越えて励起されて伝導電子(光電子)となり、その跡には正孔が残る(内部光電効果)。

 この光電子の発生によってドリフト電流が増大、熱平衡状態が崩れる。

 空乏層に形成されている内部電場により、光電子はn型半導体に、正孔はp型半導体に移動し、起電力が発生する。

 この起電力を光起電力と言う。

・ここでn型半導体・p型半導体に電極を取り付けると、それぞれ負極・正極となって直流電流を外部に取り出すことができる。

 

 

太陽電池の電圧―電流特性>

開放電圧(open circuit voltage:Voc):光照射時に於いて、端子を開放した時の出力電圧

短絡電流(short-circuit current,Isc):短絡したときの電流

短絡電流密度(Jsc):Iscを有効受光面積Sで割ったもの

最大出力点(maximum power point, 最適動作点、最適負荷点):最大の出力電力を与える動作点Pmax

曲線因子(fill factor):FF = (Vmax・Imax)/(Voc・Isc)

・ 照射光による入力エネルギーを 100mW/cm2(または1000W/m2)で規格化した測定では、公称変換効率は次式で与えられる。

  ηn=Voc・Jsc・FF

 

太陽電池から効率よく電力を得るには、太陽電池を最大出力点付近で動作させる必要がある。

・大電力用のシステムでは通常、最大電力点追従装置(Maximum Power Point Tracker, MPPT)を用いて、日射量や負荷にかかわらず、太陽電池側からみた負荷を常に最適に保つように運転が行われる。

・一般に太陽電池は十分な電圧を確保するため直列接続されるが、直列接続される一部の太陽電池において影などにより出力が低下すると、そこで電流量が制限され、全体の発電量が低下することがある。

・対策としては、バイパスダイオードを搭載し当該太陽電池を電気的に迂回する方法がある。 

 

5.次回の課題

 次回は、簡易的な電力計を購入し、使用を想定している機器の電力測定をしてみたい。  

 

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  • 発売日: 2016/09/01
  • メディア: Personal Computers