ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

宇宙が始まる前には何があったのか?

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

ローレンス・クラウス 「宇宙が始まる前には何があったのか?」メモ


第8章 その偶然は人間が存在するから?

・自然界において、何が必然で何が偶然なのか?
・暗黒エネルギーを測定することができるのは、「今」という時代が、宇宙の歴史の中で唯一、空っぽの空間のエネルギー密度が、物質のエネルギー密度と同程度になる時代であるという偶然。
・われわれは特別な時代に生きている。


・宇宙が膨張するにつれ、物質のエネルギー密度は小さくなる。
・空っぽの空間のエネルギー密度は時間が経っても変わらない。
・物質密度と宇宙定数は現在に近いところで同じ値となる。
・仮に空っぽの空間のエネルギーが、今日の推定値よりも50倍大きいとすると、銀河は形成されず、惑星も人類も存在できない。


人間原理とマルチパース
・もしも宇宙がたくさん存在し、それぞれの宇宙における真空のエネルギー値が、なんらかの確率分布に従い、可能な範囲の中でランダムに決まっているのであれば、現に測定されている値とそれほど違わない真空エネルギーを持つ宇宙でのみ、生命が進化する。
・この論法が数学的に意味を持つのは、宇宙がたくさん生じる可能性がある場合だけ。

・われわれの宇宙=過去においてわれわれに影響を及ぼすことができたか、または未来において影響を及ぼす可能性のあるもののすべて。
・個々の宇宙はどれも、過去においても未来においても、われわれの宇宙とは因果的に切り離されている。


○永遠に続くインフレーション
・インフレーション期に起こる量子ゆらぎのため、インフレーションを駆動している場が最低エネルギー状態に落ち着くこともあり、その場合インフレーションは終息する。
・場所によっては、量子ゆらぎのため、場がもっと高い状態に跳び上がり、インフレーションが終わる値から遠ざかることもあり得る。
この領域では、インフレーションがさらに続き、インフレーションが長く続く領域は、インフレーションを起こしていない領域よりもサイズ的にはるかに大きくなる。
→「カオス的インフレーション」

・インフレーションが永遠に続くなら、必然的にたくさんの宇宙が生じる。


・インフレーションを起こしている領域が、いずれはエネルギーの低い宇宙の量子状態に落ち着くとして、そんな状態が自然界に多数存在していても不思議はない。それらの場の量子状態は、互いに切り離された領域(宇宙)ごとに異なる。
→宇宙ごとに物理学の基本法則が違って見えてもかまわない。


ランドスケープ」のアイディア
・インフレーションを終えた空間が落ち着く先の状態がたくさんあるなら、われわれの住むこの宇宙(真空エネルギーの値が、銀河が形成される程度には小さいが、ゼロではない値を持つ宇宙)は無数に存在する宇宙のひとつにすぎないはず。