ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ぽんこつエンジニ屋のDIYぷち発電プロジェクト

 独立型小電力ソーラー発電システムを作ろう

<第四回> - バッテリーについて調べてみる -
概要

 思い付きで小電力のソーラー発電システムを作ることにして、これまでにシステム構成と自宅にある家電製品の消費電力、ソーラーパネルについて調べた。

 

1.第四回の目的 

 独立系太陽光発電に適したバッテリーについて調べてみる。

 

2.バッテリーの種類

  下記サイトに太陽光発電システムに適したバッテリーについて記載されていたので、必要な部分を引用する。

www.chikuden-sys.com

naturalsky.net

 

・独立系の小・中規模の「太陽光発電システム用のバッテリー」は存在しないが、表4-1に独立系の太陽光発電システムで主に採用されているバッテリーの種類を示す。

 

表4-1 独立系の太陽光発電システムで主に採用されているバッテリーの種類

No 種 類 特 徴 価格
1 鉛蓄電池 ・一般的な自動車始動用バッテリー
・蓄電には不向き
安価
2 鉛蓄電池 ・安価に構築できる蓄電側バッテリー
・通称ディープサイクルバッテリー
安価
3 EB蓄電池 ・電動カート、フォークリフト用等大容量かつ深い放電に適するバッテリー -
4 リン酸鉄リチウム
イオンバッテリー
・現在すでに主流になっている蓄電に最適な充放電用バッテリー
・電動バイク、EVカーで主流。
安価
5 酸化鉄リチウム
バッテリー
・台湾メーカー「CAEC社」の独占特許の鉄系のリチウムイオンバッテリ
・流通量が少なく、高価
高価

 

・表4-2にバッテリーの内部構造・材質を示す。

 

表4-2 バッテリーの内部構造・材質

No 内部構造・材質 特 徴 メンテナンス
1 非密閉式開放型 電解液の補充が必要
2 シールド型 電解液の補充は不要 不要
3 完全シールド型 電解液の補充は不要 不要
4 GEL型 ジェル式のため補充は不要 不要
5 AGM型 ガラスマット吸着式のため補充は不要 不要
6 鉄系、リチウム系バッテリー 電解液がないので設置方法は自由 不要

 

・表4-3に自動車用バッテリーとサイクルバッテリーの特徴を示す。

 

表4-3 自動車用バッテリーとサイクルバッテリーの特徴

No 種類 特 徴
1 自動車用バッテリー ・車のセルを回すことと大電流の短時間での充放電を繰り返す用途向け。
・深度が浅く、耐久性に問題があり、ソーラー発電には向かない。
・容量の75%程度を残した範囲で充電、放電を繰り返す設計。
2 サイクル バッテリー ・ソーラー発電に最も適した充電池。
・深度が深く容量表示の大部分が使えるように設計されている。
・比較的容量の大きい物も揃っており、選択のしやすさもある。
・少量の電流を常に充放電し長時間使用する用途に設計されており、バックアップ電源やソーラー発電の蓄電に最適。
・電動カートや電源、ソーラー発電などの充放電を繰り返す目的で利用する。

 

・表4-1、表4-2から、価格・入手性・メンテナンス性の点より、太陽光発電にはシールドタイプの鉛蓄電池が適していていることが分かった。

・表4-3より、自動車用バッテリーとサイクルバッテリーでは、太陽光発電用としてはサイクルタイプのバッテリーが適していることが分かった。

・結果、以下のようなディープサイクルバッテリが適しているようだ。 

  

3.鉛蓄電池の特徴

 鉛蓄電池の特徴について、下記サイトより引用する。
www.infuse-net.com

 

<長所>

 ・比較的高い電圧を取り出す事ができる。(単セルあたり2ボルト)
 ・電極の材料である鉛が安価で、コストパフォーマンスが高い。
 ・短時間で大電流を流したり、小電流を長時間流しても性能が安定している。
 ・メモリー効果が無い。

 

<短所>

 ・他の二次電池と比べて大型で重い。
 ・過放電状態が続くと劣化が進み、性能が大きく低下する。
 ・電解液に硫酸を使用するため破損時の危険が高い。
 ・極寒地では電解液が凍結しやすく、破裂する危険がある。

 

4.バッテリーの容量表記と実際に取り出せる容量

 バッテリーの容量表記と実際に取り出せる容量について下記サイトから引用する。

www.solar-make.com

 

・バッテリーの容量は「Ah」や「Wh」を用いて表す。

 <Ah(アンペアアワー)>
  Ah = 電流(A) × 時間(h)

  例)12V 30Ahのバッテリーは、
     1Aの電流なら30時間
     10Aの電流なら3時間
     30Aの電流なら1時間
    の電流を取り出すことができる容量をもつ。

 <Wh (ワットアワー)>
  Wh = 電力(W) × 時間(h)

  例)360Whのバッテリーは、
     60Wの電力なら6時間
     120Wの電力なら3時間
     360Wの電力なら1時間
    の電力を取り出すことができる容量をもつ。

・実際には、バッテリー容量表記の全ての容量を取り出すことはできない。
 ⇒「30Ahのバッテリー」でも、30Aの電流を1時間使うことはできない。

・12V規格のカーバッテリーをフル充電しても13.5V程度にしかならない。
・このバッテリーを限界まで使っても、10.5V程度の電圧が残る。
・10.5/13.5 = 77.8 % より、77.8%残っていてもスターターバッテリではこれが限界。
・一般的なカーバッテリーは、フル充電状態から22%使うと、バッテリー上がりの状態になる。
・30Ahのバッテリーでも、フル充電しても80%ほどしか充電できない。
・30Ahのバッテリーは、30Ah x 0.8 = 24Ah
 ⇒ 24Ah程度の性能しかない。

 

・バッテリー選定時は、容量表記からマージンをもたせたものを選ばないといけないな。


5.バッテリー関連用語について

  以下のサイトにバッテリー関連用語が載っていたので、必要な部分を抜粋する。 

batterybank.jp

<過放電>

・放電終止電圧を超えて無理やり放電を続けること。
・放電終止電圧はその電圧に至った時点でそれ以上放電してはいけない電圧を示す。
・放電終止電圧を超えてさらに放電状態を続ければ過放電となり、電池の劣化や事故などに繋がる恐れがある。
・放電温度特性の影響から、0℃をきると電圧が大幅に低下するため、常温では過放電でなくても、 低温時には機器側からみて放電終止電圧以下(過放電状態)とみなされることもある。

 <過充電>

・満充電を超えて電荷を蓄えようとする状態のこと。
・電池は、放電していくことでイオン化傾向の高い負極の金属が溶けていくため、次第に電極の金属がなくなり、最終的には反応できなくなる。
・外部から負荷を掛け、放電とは逆の流れで電気を流すことによって、充電することが可能。
・電池の種類にもよるが、過充電や過放電は電池を非常に危険な状態にさらすこととなる

 

<放電深度>

二次電池の放電容量に対する放電量の比のこと。DODとも呼ばれる。
・容量1000mAhの電池を700mAhで放電したとすると、その放電深度は70%となる。
・何サイクルもの使用が前提となる二次電池では、サイクル寿命が放電深度に強く依存していることが知られており、浅い放電深度で使用したほうが寿命は長くなると言われている。
NTTファシリティーズ総研の資料によると、 鉛蓄電池の場合、放電深度100%の使用方法に比べて、放電深度50%の使用方法の方が約3倍も寿命が長いということがわかっている。

 

6.鉛蓄電池の寿命

 鉛蓄電池の寿命について、下記サイトから引用する。

www.eco-hatsu.com

 

・蓄電池の寿命を表す際には「サイクル回数」もしくは「使用期間」のいずれかが用いられる。
・サイクル期間とは充電から放電までを1サイクルとして、何回このサイクルが可能なのかで蓄電池の寿命を表す。

・1サイクルの定義:1サイクルは極限まで放電して充電量が0%になった状態から、満タンの100%まで充電して、その電気を0%の状態になるまで放電し切ること 。
・バックアップ用電源など特定条件下のみの放電となり、頻繁に充放電を繰り返さないものはサイクル期間ではなく、使用期間でその寿命が表されることが一般的。
・寿命を表す数値は蓄電池の販売先メーカーによりその目安が設定されており、この数値は販売先メーカーによる想定数値となる。
・使用する環境や状況、保守条件など様々な要因によって左右される。

経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームが以前に発表した資料から、鉛電池の寿命はサイクル回数で3150回、使用期間に換算すると17年。
・一般的に蓄電池はサイクル回数でその寿命が計られるため、充放電の回数によって寿命に影響を及ぼす。
鉛蓄電池の場合は充放電の回数が劣化に影響することはなく、これは鉛蓄電池の大きな特徴。

・蓄電容量の維持には注意が必要で、過放電によって著しい性能劣化を引き起こすため、使用時には下記2点を厳守する必要がある。
 1.過放電を行わない
 2.使用後は早急に充電する

 

 バッテリーを長持ちさせる方法について以下のサイトから引用する。

www.chikuden-sys.com

 

1.なるべく過放電は避けること。(インバーター警告音まで、できれば使わない)
2.大容量の放電は避けること。(連続10分以上の1/2C以上は行わない)
3.1週間に1度は満充電状態を作ってあげること。
4.負荷接続端子を用いて、小容量の放電を行う。
5.充電電流は「1/5C」以内(5時間で満充電の電流値)とすること。
6.日なたに設置しないこと。
7.通気性の良い場所に設置し、昼夜の寒暖差の激しいところに設置しないこと。

 

・バッテリーは化学的な生き物みたいな物で、取り扱いを誤ると事故につながることもあるので、慎重に選定し、設置場所や使用方法にも注意するとしよう。

 

7.次回の課題

 バッテリーは奥が深く、今回の調査から漏れている事柄もありそうだ。あまり突っ込み過ぎると底なし沼にはまりそうなので、ここまでにして、何かあれば随時追記するとしよう。

 次回はインバータ、充電コントローラについて調べてみたい。