独立型小電力ソーラー発電システムを作ろう
<第十二回> -発電電力測定用計測器の入手、計測開始-
概要
思い付きで小電力のソーラー発電システムを作ることにして、システムが完成し、運用を始めて、発電電力測定用の計測器を選定した。
1.第十ニ回の目的
ソーラーパネルの発電電力を測定するための計測器類を入手し、測定を開始する。
2.計測器類入手
・前回、ソーラーパネルが発電した電力を測定するための計測器類を選定、発注した。
・入手した計測器類を以下に示す。
<1.電圧測定用ロガー(HIOKI:LR5043)>
<2.電流測定用ロガー(HIOKI:LR5041)>
・シャント抵抗の電圧値を電流値へ変換する必要があるけれど、PC上からスケーリング設定できる機能があり、電流値に変換したデータを取得できる。
<3.通信アダプタ(HIOKI:LR5091)>
・アプリのインストールにちょっとだけ手間取り、アプリがうまく起動しないこともあるけど、月に一回だけデータを取り出す予定なので問題なし。
・PC上からロガーの設定を行うことができ、取得したデータをグラフで確認することもできて便利だ(詳細は後の項に掲載します)。
<4.計器用分流器(シャント抵抗)(三菱電機:G-SHT 60MV 10A)>
・購入前にサイズが不明だったけど、長さは14cm程度、主電流の端子サイズはM5だった。
・念のために電力損失を確認する。
ソーラーパネルの最大電流:約5A
シャント抵抗の抵抗値:60mV/10A=6mΩ
シャント抵抗の最大損失:6mΩ×(5A)^2=150mW
ソーラーパネルの最大電力:75Wより、シャント抵抗の最大損失は75Wに対して0.2%なので問題なし。
3. 電力測定準備
・回路図を書くほどの規模でもないけれど、今後のために回路図を作成し、主要部品の部品表も作成した。
・回路図を図12-1、主要部品の部品表を表12-1に示す。
図12-1 独立型小電力ソーラー発電システム 回路図
表12-1 独立型小電力ソーラー発電システム 主要部品表
部番 | 名称 | 型名 | メーカ | 数量 |
B1 | バッテリー | LG32-12 | LONG | 1 |
M1 | 電圧ロガー | LR5043 | HIOKI | 1 |
M2 | 電圧ロガー | LR5041 | HIOKI | 1 |
M3 | 電圧電流計 | デジタル電圧電流計 | Diystudio | 1 |
M4 | 電圧電流計 | デジタル電圧電流計 | Diystudio | 1 |
PS1 | ソーラーパネル | GW-E075A | GWSOLAR | 1 |
PS2 | インバーター | MRZ3010HU-JP | BESTEC | 1 |
TB1 | 端子台 | ML-5300-M4-2P | サトーパーツ | 1 |
R1 | シャント抵抗 | G-SHT 60MV 10A | 三菱電機 | 1 |
・分かりづらいと思いますが、実際の配線写真を載せておきます。
4. 仮測定
・お昼頃に1時間程度の仮測定を行い、その時の測定風景、PCに取り込んだデータを以下に示す。
・上の写真の左側のロガーに表示されている「0.8」が電流値(スケーリングしているので、0.8Aそのものを表示)、右側のロガーの「12.53」がソーラーパネルの電圧値。
・電流測定データをPCに取り込む際のPC画面。
・電流測定データの波形(1分間に1回測定)。
・電流測定データの概要(最大、最小、平均値)
・電圧測定データの波形(1分間に1回測定)。
・電圧測定データの概要(最大、最小、平均値)
・昼頃のうす曇りの状態で1時間程度測定した結果、発電量は10wh程度だった。
・やはり曇りだと、ろくに発電していないんだな。
・これまでどの程度発電しているか分からなかったけれど、これで電力測定が可能になった。
5. 次回の課題
・ログを取りを開始して、月毎のデータを収集したい。