ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」メモ 

 

ジェフ・ホーキンス 著  大田直子 訳
「脳は世界をどう見ているのか」メモ

第1部 脳についての新しい理解
第1章 古い脳と新しい脳
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【まとめ】
・新皮質は私たちの脳の最も新しい部位で、知能として思いつく能力のほとんどがそこで生み出されている(視覚、言語、音楽、数学、科学、工学等)。
・知能を理解するには、新皮質が何をどうやっているのか理解しなくてはならない。
・新皮質の局所回路は複雑で、新皮質はどこでも似たように見え、新皮質のあらゆる部位が運動を引き起こす。
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・1個の細胞はたいしたことはできない。
・脳をつくるのに十分な細胞をまとめると、本を読み、書き、建物を設計し、テクノロジーを発明し、宇宙の謎を解明する。
・単純な細胞でつくられた脳がどうやって知能を生み出すのか。
 →非常に興味深い疑問であり、いまだ解明されていない。


神経科学の最終目標:人間の脳がどうやって人間の知能を生み出しているかを知ること。
・脳について膨大な量の知識と事実がわかっているが、全体の仕組みはほとんど理解できていない。
・脳が謎である原因は、すでに手元にあるピースの並べ方がわからないこと。


<新皮質>---
・人間の脳の約7割を占める。
・知能と結びつくすべてをつかさどる。
 視覚、触覚、聴覚、あらゆる形式の言語、
 数学、哲学のような抽象思考
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・脳は世界のモデルを学ぶ。

 

<モデル>---
・私たちが知っていることは事実の山としてただ蓄積されるのではない。
・世界とそこに含まれるすべての構造を反映するように体系化されることを意味する。
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・目標達成には、私たちが世界の事物と相互作用するとき、そうした事物が一般にどうふるまうかを学ぶ必要がある。
・知能は脳がつくる世界のモデルと密接につながっている。
 →脳がどうやって知能をつくるのか理解するには、単純な細胞からなる脳が、どうやって世界とそこにある万物のモデルを学ぶかを解明する必要がある。

 

・新皮質は、人が知るすべてのこと、すべての知識を蓄積するにに、座標系(reference frame)を使うと推定する。
・脳の世界モデルは地図のような座標系を使って構築されている。
・座標系はひとつではなく、10万を超える。
・新皮質内の細胞のほとんどは、座標系をつくり操作することに専念している。
・脳はその座標系を使い、計画を立てたり考えたりしている。


・人間は遺伝子ではなく知能と知識により定義される。
・人は生物的過去により動かされ続けるべきなのか、新たに出現した知能を活用することを選ぶべきなのか。


第1章 古い脳と新しい脳
・私たちの脳の最も新しい部位は新皮質。
・すべてのほ乳類に新皮質があり、新皮質があるのはほ乳類だけ。
・人間の新皮質はとくに大きく、脳の容積の約7割を占める。


・新皮質は知能の器官。
・知能として思いつく能力のほとんどが新皮質で生み出されている。
 視覚、言語、音楽、数学、科学、工学
・知能を理解するには、新皮質が何をどうやっているのか理解しなくてはならない。


・脳の新皮質と古い部位は神経繊維によってつながっている。
 →まったく別々の器官とは考えられない。
・ルームメイトに似て、行動予定も性格もばらばらだが、何かをやるのに協力する必要がある。


・新皮質は行動を直接制御しない。
・新皮質の細胞はどれも筋肉に直接つながっていない。
 →新皮質だけでは筋肉を動かすことはできない。
・新皮質が何かをしたいとき、古い脳に信号を送る。
・指示どおりにするよう、古い脳に依頼する。


・古い脳にはたくさんの別々の器官が含まれる。
・それぞれが固有の機能をもつ。
・見た目もちがい、その形、大きさ、結合に、機能が反映されている。


・新皮質は脳容積の4分の3近くを占め、多種多様な認知機能に関与しているが、目で見てわかる区分がない。
・ひだとしわを無視すれば、新皮質は明確な仕切りのない、一枚の大きな細胞のシートのように見える。


・新皮質は異なる機能を果たすいくつもの「野」、領域に分かれている。


・新皮質のさまざまな領域は、脳の白質である新皮質の下を通る神経繊維の束により互いにつながっている。
・新皮質はフローチャートのように階層的。
・入力は一連のステップで処理され、ステップごとにますます複雑な特性を入力から引き出していく。


・新皮質のフローチャート階層を支持する証拠はたくさあんる。
・新皮質はフローチャートのようではないことを示す証拠もたくさんあるう。
・領域はひとつの領域が別の領域の上に配列されているわけではない。
・領域間の結合の大部分は、階層的構成に合わない。
・特徴検出器のように働くのは、各領域の細胞の一部だけ。
・各領域の大部分の細胞が何をしているのか、断定することができていない。


・新皮質内のニューロンは層状に見える。
・層は新皮質の表面と平行になっている。
ニューロンの大きさのちがいと、どれだけ密に詰まっているかにより生じている。
・新皮質には数十種類のニューロンがあることが分かっている。
・層は特定タイプのニューロンがどこで見つかるかを示すおおまかなガイドにすぎない。
ニューロンが何につながっていて、どうふるまうかのほうが重要。
ニューロンを結合で分類すると、何十というタイプがある。


ニューロン間の結合はほとんど垂直方向、つまり層と層をまたがっている。
ニューロンには軸索と樹状突起と呼ばれる枝分かれした付属器官がある。
・そのおかげで互いに情報を送り合うことができる。
・ほんどの軸索が層間、つまり新皮質の表面と直角に延びている。
・ほとんどの結合は垂直方向。
 →新皮質のある領域に到達する情報は、ほかの場所に送られる前に、だいたい層間を上下に動いている。


<新皮質の一般的所見>---
1.新皮質の局所回路は複雑である。
・新皮質1平方ミリメートル(約2.5立方メートル)当たり、ニューロンはおよそ10万。
シナプスと呼ばれるニューロン間結合は5億。
・軸索と樹状突起は数キロメートルにおよぶ。
・1平方ミリに何十ものタイプのニューロンが詰まっている。
・タイプごとにほかのタイプとの典型的な結合がある。
・新皮質に見られる精密で極端に複雑な神経回路から、あらゆる領域が特徴検出器よりはるかに複雑なことをしているとわかる。


2.新皮質はどこでも似たように見える
・新皮質の複雑な回路は、視覚野、言語野、触覚野で非常によく似ている。
・ラット、ネコ、人間のような種間でも似たように見える。
・全体として、領域間の差異は類似性にくらべて小さい。


3.新皮質のあらゆる部位が運動を引き起こす
・動きに関係する古い脳の部位に投射する細胞が見つかっている。
・新皮質のあらゆる場所に見られる複雑な回路は、感覚運動タスクを行う。
・純粋な運動野も純粋な感覚野もない。
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