ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」メモ 

ジェフ・ホーキンス 著  大田直子 訳
「脳は世界をどう見ているのか」メモ

第1部 脳についての新しい理解

第4章 脳がその秘密を明かす
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【まとめ】
・脳は二種類のニューロンを使って現実と予測を区別している。
・ほとんどの予測がニューロン内部で起こり、予測は新皮質を構成するニューロンに組み込まれている。
・各皮質コラム内のニューロンの大部分が果たす機能は座標系をつくって位置を追跡すること。
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★発見その1 新皮質は世界の予測モデルを学習する
・脳はどうやって予測するのか?
・脳には二種類のニューロンがある。
 ①脳が実際に何かを見ているときに発火するニューロン
 ②脳が何かを見ると予測しているときに発火するニューロン
・幻覚を起こさないため、脳は予測を現実と区別する必要がある。
・二組のニューロンを使えば、これがうまくいく。


<問題点>
①新皮質が膨大な数の予測をたえず行っているとしたら、大量の予測ニューロンが見つかるはずであるが、そういう状況は観察されていない。
②新皮質が何百何千という予測をしているなら、なぜ人はその予測に気づかないのか。
 予測ミスが起こらないかぎり、人は脳による予測の大半を意識しない。


★発見その2 予測はニューロン内部で起こる
・新皮質による予測には二種類ある。
 ①周囲の世界が変わっているから起こる。
 ②世界に対して動いているから起こる。
  行動の順序を変えれば、予測の順序も変わる。


ニューロンには樹状突起の枝に沿い何千何万というシナプスがある。
・細胞体に近い樹状突起もあれば、遠く離れている樹状突起もある。
・細胞体周囲の領域にあるシナプスは近位シナプスと呼ばれる。
・近位シナプスが十分な入力を受け取れば、ニューロンは活動電位を発生する。
・活動電位は細胞体で始まり、軸索経由でほかのニューロンに伝わる。


・細胞の近くにあるシナプスは全体の一割に満たない。
・九割以上が活動電位を発生するには遠く離れすぎている。
・遠位シナプスのひとつに入力が到達しても、細胞体にはほとんど影響しない。


樹状突起に沿って伝わる活動電位は二つある。
①細胞体で始まり、軸索に沿って伝わり、ほかの細胞に到達するもの。
②1本の樹状突起で隣り合う20ほどのシナプス集団が同時に入力を受けるときに始まる。
・ひとたび樹状突起活動電位が生じると、樹状突起を伝わり、最終的に細胞体に到達する。
・そこに着くと細胞の電圧を上げるが、ニューロンの活動電位を発生させるほどではない。
樹状突起の活動電位はニューロンをからかっているかのよう。
・もう少しでニューロンを活性化できるが、活性化させるまでは至らない。
ニューロンが刺激されるこの状態はしばらく続いたあと、正常にもどる。→何の役に立つのか?


樹状突起活動電位は予測。
樹状突起活動電位が発生するのは、遠位樹状突起上の隣り合うシナプス集団が同時に入力を受け取ったとき。
・そのニューロンがほかのニューロン内の活動パターンを認識していうということ。
・活動パターンを検出すると、ニューロン樹状突起活動電位を発生、それが細胞体の電圧を上昇させ、細胞を予測状態にする。
ニューロンは活動電位発生の準備が整う。
・予測状態にあるニューロンが次に、活動電位を発生するのに十分がな近位入力を受ければ、ニューロンが予測状態ではなかった場合よしも少し早く、細胞は活動電位を発生する。


・いくつかのニューロンが予測状態にあるのなら、そのニューロンだけが活動電位を発生し、ほかのニューロンは抑制される。
・予想外のニューロンが到着すると、複数のニューロンが一度に発火する。
・入力が予測されていれば、予測状態のニューロンだけが活性化する。
・予想外の入力のほうが、予想されていたものより、はるかに多くの活動を引き起こす。


・ほとんどの予測がニューロン内部で起こる。
・予測が起こるのは、ニューロンがパターンを認識し、樹状突起活動電位を発生し、ほかのニューロンより早く活動電位を発生する準備が整ったとき。
・何千もの遠位シナプスがあるので、各ニューロンは、ニューロンが活性化すべきときを予測する何百ものパターンを認識できる。
・予測は新皮質を構成するニューロンに組み込まれている。


★発見その3 皮質コラムの秘密は座標系
・皮質コラムが次の入力を予測するには、どんな動きが起ころうとしているかを知らなくてはならない。


・指が動くと何を感じるかを予測するには、脳は何を知る必要があるか?
・指の一本がカップ側面に触れていて、それを上に向けて動かせば、脳はふちの丸いカーブを感じると予測する。
・脳は指がふちに触れる前にこの予測をする。
・この予測をするために脳は何を知る必要があるのか?
・脳は二つのことを知る必要がある。
・触れている対象は何か、指は動いたあとにカップのどこにあるのか。
・問題なのは、カップに対する指の位置。
 ↓
カップに付随する座標系内での指の位置を表すニューロンが、新皮質にあるにちがいない
・次の入力を予測するのに必要な信号は、「物体上の位置」


・新皮質はおもに座標系を処理している。
・脳は世界のモデルを構築するのに、感覚入力を座標系内の位置と関連づける。


<なぜ座標系が重要なのか?>---
①座標系のおかげで脳は何かの構造を学習できる。
 相対的な位置と物体の構造を特定するには座標系が必要。

②座標系を使って物体を定義することにより、脳は物体全体をいちどに処理することができる。

③座標系は動きを計画して実行するのに必要。


・新皮質は座標系に取り組む。
・各皮質コラム内のニューロンの大部分が果たす機能は座標系をつくって位置を追跡すること。