ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」メモ
ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳
「脳は世界をどう見ているのか」メモ第2部 機械の知能
第10章 機械知能の未来
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【まとめ】
・知的機械を設計するためのレシピ
1 身体性:動くことにより学習し、身体性がないと学習できるものが限られるため、知的機械にも感覚器官(センサー)とそれを動かす能力が必要。
2 古い脳:新皮質は動きを直接制御しないため、機械の身体性に密接に
結びつく動作は、組み込まれていなくてはならない。
3 新皮質:新皮質と同じ機能を果たす汎用の学習システム。
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・知的機械をつくれない技術的理由はない。
・障害:①知能が何かに対する理解の不足
②それをつくるために必要なメカニズムがわかっていないこと
★知的機械は人間に似たものにはならない
・脳の大きな分類:古い脳と新しい脳
・古い脳:生命の基本機能を制御
・新しい脳:新皮質(知能の器官)
・知的機械には新皮質に相当するものが必要。
・脳の残りの部位は、ほしい部分とほしくない部分を選択できる。
・知能とは、世界のモデルを学習するシステムの能力。
・でき上がるモデルそのものに価値観、感情、目標はない。
・新皮質は世界のモデルを学習するが、モデルそのものには目標も価値もない。
・ある人の世界モデルは特定の目標に適しているかもしれないが、新皮質は目標を生み出さない。
・知的機械には、人間のような生存と生殖の本能は不要。
・人間のような感情をもつ機械を設計するほが、知的機械を設計するよりはるかに困難。
・古い脳はたくさんの器官からなり、それぞれ独自の設計と機能がある。
・新皮質は皮質コラムという小さい要素がたくさんコピーされてできている。
・知的機械を設計するためのレシピ
1 身体性
2 古い脳の部位
3 新皮質
1 身体性
・私たちは動くことにより学習する。
・基本レベルで世界のモデルを学習するには、世界のある事物に対し1個以上の感覚器官を動かす必要がある。
・知的機械にも感覚器官(センサー)とそれを動かす能力が必要。
→身体性
・現在の深層学習ネットワークのほとんどは身体性がない。
・身体性がないと学習できるものが限られる。
・個々のセンサーが、世界の事物に対するセンサーの位置を追いかける座標系と関連づけられる必要がある。
2 古い脳に相当するもの
・知的機械をつくるため、脳の古い部位にあるものがいくつか必要。
・ひとつは基本的な動き。
・新皮質は筋肉を直接制御しない。
・新皮質が何かしたいとき、動きを直接制御している古い脳に信号を送る。
・新皮質に相当するものが直接動きを制御する知的機械は構築できない。
・新皮質の万能のアルゴリズムを実行する柔軟性には代償が伴う。
・新皮質はまったく新しい動作を作り出さない。
・既存の動作を新たに役立つよう、つなぎ合わせる方法を学習する。
・機械の身体性に密接に結びつく動作は、組み込まれていなくてはならない。
・安全性
・アイザック・アシモフのロボット三原則
1 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、何もしないことによって、人間に危害がおよぶことを許してはならない。
2 ロボットは人間に与えられた命令にしたがわなければならない。ただし、その命令が第一原則に抵触する場合は、この限りではない。
3 ロボットは、第一原則および第二原則に抵触しないかぎり、自分自身の存在を守らなければならない。
・知的機械は目標と動機をもたなくてはならない。
・動機と目標が行動におよぼす影響に、新皮質は積極的に関わるが、指揮することはない。
・機械に目標と動機を与えるには、目標と動機のための具体的メカニズムを設計してから、それを機械の身体性に埋め込む必要がある。
・知的機械には目標と動機が必要だが、それらは知能がもたらす結果ではなく、勝手には現れない。
3 新皮質に相当するもの
・新皮質と同じ機能を果たす汎用の学習システム。
★スピード
・知的機械の部品が生物学的な脳より100万倍速く動作できるだけでは、知的機械全体が100万倍速く動くわけではないし、その知識をその速度で獲得できるわけではない。★能力
・コラムがしていることと、それをシリコンでつくる方法を完全に理解したら、コラムという要素を使うことで、さまざまな能力の知的機械をつくることは比較的容易なはず。
★学習かコピーか
・機械知能が人間と異なる点:知的機械をコピーする能力
★機械知能の将来の用途は未知である
・社会を変えるのは、予想されていない使い方。