ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」メモ 

ジェフ・ホーキンス 著  大田直子 訳
「脳は世界をどう見ているのか」メモ

第3部 人間の知能
第12章 誤った信念
----------------------------------------------------------------------------------
【まとめ】
・私たちが知覚するのは世界そのものではなく世界のモデルであり、私たちは脳がシミュレートした世界に生きている。
・言語の出現で、人間は直接観察したことのないものまで世界モデルを広げたが、言語による間接的学習は100%信頼できない。
・信念が誤りであることを証明する証拠を積極的に探すのが科学的手法であり、真実に近づくための唯一のアプローチ。
----------------------------------------------------------------------------------

・自分が住んでいると思っている世界は現実世界ではなく、現実世界のシミュレーション。
・私たちが信じていることは、たいがい真実ではない。

・脳には光も感触も音も入ってこない。
・精神的経験をつくる知覚は、感覚神経から生まれるのではない。
・神経は活動電位を送るだけ。
・私たちは活動電位を知覚するわけではない
 →実際に知覚するものはすべて、脳内ででっち上げられている


・私たちの光と音の知覚は、宇宙で起こっていることの一部しか表現できない。
・感覚器官のちがいにより、同じ宇宙が異なる知覚経験を生む。


・重要な二点
①脳が知るのは現実世界の一部分についてだけである。
②私たちが知覚するのは世界のモデルであり、世界そのものではない。


★私たちはシミュレーションの中で生きている。
・活動しているニューロンは、本人がいま考えていること、知覚していることを表現する。
・こうした考えや知覚は脳にある世界モデルに対するもの。
 頭蓋の外の物理的世界に対するものではない。
→私たちが知覚する世界は現実世界のシミュレーション


・私たちが知覚するのは世界のモデルであり、世界そのものではない。
・私たちはシミュレートされた世界に生きているが、その世界はコンピュータの中ではなく、頭の中にある。


・私たちの世界モデルは正しくない可能性がある。
・幻肢のように存在しないものを知覚することがある。
・他人の手足症候群やラバーハンド錯覚のように実際に存在するものを誤って知覚することもある。
・脳のモデルが脳の入力と一致しないことは珍しくない。
・ほとんどの場合、それが役に立つ。


★誤った信念
・誤った信念:物理的世界に存在しないものが存在すると脳のモデルが信じること。


★ウィルス性の世界モデル
・ウィルス性の世界モデル:モデルを脳から脳へ広めて数を増やす行動を指示する。


・人間がどう行動すべきかについてのモデルは、手足の存在や地球の局率のような物理的なものではない。


★誤ったウィルス性の世界モデル
・最もやっかいなタイプの世界モデル:ウィルス性で、明らかに誤ったモデル。


・ほんの数人の脳が誤った歴史書は真実だと信じれば、その本が真実だとする脳のモデルがやがてウィルスのように、ほかのたくさんの脳に広がる可能性がある。
・この歴史書ミームの一例。
ミーム:複製し進化するものであり、遺伝子によく似ているが、媒介するのは文化。


ミームと遺伝子は進化し、互いに補強し合うように進化できる。
・世界の誤ったモデルは、信じる人が遺伝子を広めるのを誤った信念が助けるかぎり、広まり複製する可能性がある。
・歴史書は事実誤認かもしれないが、生命の目的は世界の正しいモデルをもつことではない。
・生命の目的は複製。


★言語と誤った信念の広まり
・直接経験による世界についての学習は信頼できる。
・言語の出現で、人間は直接観察したことのないものまで世界モデルを広げた。
・私たちが世界について信じていることの多くは、直接観察できないもの。
・そうした現象について学習するのに言語に頼っている。
・世界モデルを直接観察できないものにまで広げたのは、人間の知力の勝利、人類の文明開化。
・この知識の広がりを可能にしたのは、道具(船、顕微鏡、望遠鏡など)とさまざまな形態のコミュニケーション(書き言葉、写真など)。


・言語による間接的学習は100%信頼できない。
・うそと真実を区別する方法、私たちの世界モデルに誤りがあるかどうか確認する方法:自分の信念と矛盾する証拠を
積極的に探すこと。
・反証が見つかることは、頭の中のモデルは誤りで、修正する必要があることの証拠。
・信念が誤りであることを証明する証拠を積極的に探すのは、科学的手法。
・真実に近づくための唯一のアプローチ。


・誤った信念が何十億人の頭にはびこっている。
・その責任を負うべきは、ウィルス性の誤った信念。
ミームは複製するのに脳に頼っている。
・自分たちの利益を促進するよう、脳の挙動を制御する方法を進化させてきた。
・脳そのものは、より正確なモデルに向かい否応なく進む。
・地球規模では、このプロセスがウィルス性の誤った信念により阻止される。