ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足

ジェレミー・デシルヴァ 著  赤根洋子 訳「直立二足歩行の人類史」メモ

「直立二足歩行の人類史」メモ

第1部 二足歩行の起源
第1章 人間の歩き方
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【まとめ】
・人間の最も奇妙な点:完全に伸ばした後肢を使い二本足で移動すること。
・二足歩行には、二足歩行の「足が遅く、転びやすい」弱点を上回る利点があるはず。
・人類の二足歩行の起源が道具や武器を使うために両手を自由にする必要があったとする説は間違い。
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・人間の最も奇妙な点:完全に伸ばした後肢を使い二本足で移動すること。
・祖先が二足歩行するようになったのは、大きな脳や言語といった人類固有の特徴が発達するよりもはるかに前。
・二足歩行により人類の系統が唯一無二の道を歩み始めたのは、祖先がチンパンジーの系統から枝分かれした直後のこと。


・二足歩行は「制御された転倒」。
・身体の重心が引き上げられると、位置エネルギーが蓄積。
・重力により身体が前方に引っ張られると、蓄積された位置エネルギーは運動エネルギーに変換される。
・重力を利用することで、歩行に必要なエネルギーを65%節約可能。
位置エネルギー → 運動エネルギーへの変換は、振り子の原理と同じ。


・人間が立っているとき、膝と腰は伸びている。
・人間の大腿四頭筋にかかる負荷は、膝を屈めて歩くチンパンジーのそれより軽い。
・腰の両側に筋肉のおかげで、人間は片足でバランスを取ることができる。
・エネルギー効率よく歩くことができる。


・二本足で移動することにより、人類はギャロップ走行する能力を失った。
 →並外れて足が遅く、補食されやすい存在になった。
・「制御された転倒」が「制御されていないただの転倒」になる場合がある。
アメリカでは年間3万5千人以上が転倒により死亡している。
・交通事故の死者とほぼ同数。


・「足が遅く、転びやすい」特徴は、絶滅の原因になりそう。
・人類は生き残り、繁栄している。
 →二足歩行には、その弱点を上回る利点があるはず。


★「武器を持つため」モデル
・「二足歩行がサバンナで発達したのは、武器をもつために手をあける必要があからだ」


★彼らは狩られる側だった
アウストラロピテクスはハンターではなく、狩られる側だった。
・人類の二足歩行の起源:道具や武器を使うために両手を自由にする必要があった
 →この説は間違い。
・この奇妙な移動形態はなぜ生まれたのか?


・収束進化:自然選択による機能・形態の最適化
・収束進化を援用して人類の二足歩行を説明できるだろうか。