ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足

ジェレミー・デシルヴァ 著  赤根洋子 訳「直立二足歩行の人類史」メモ

ジェレミー・デシルヴァ 著  赤根 洋子 訳
「直立二足歩行の人類史」メモ

第3部 人生の歩み

第15章 ダチョウの足と人工膝関節
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【まとめ】
・メキシコ先住民族のタラウマラ族は、高い長距離走の能力の持ち主として知られ、彼らの足は典型的なアメリカ人のそれよりもアーチが高く、硬く、筋肉が大きい。
・ベアフットシューズでトレーニングしたグループは、12週間後、二種類の筋肉が20%大きくなり、アーチの硬さは60%増した。
・どんな靴を履くか、履かないかで足は変わる。
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・二足歩行にはデメリットもある。
・人類の系統は600万年かけ、直立歩行に適合するよう身体を変化させてきた。
・進化は完全なものを創造しない。
・進化は生き残り子孫を残し、種を共存させるに足るだけの形態をもたらすだけ。
・適応して生き残ってきた種でさえ、過去の形態の寄せ集め。


★それは進化の置き土産
・人類にはかつて尾を動かしていた筋肉が尾骨に残っていて、骨盤低筋を形づくっている。
・重力により下垂する内蔵を支えるために使われてきた。
・直立二足歩行する人類の場合、重力を支えるにはこの薄い筋肉では不十分。
→骨盤臓器脱が起き、内蔵が膣内に飛び出すこともある。


椎間板ヘルニアも靱帯損傷も
・二足歩行の最も明らかな副作用は筋肉と骨にかかる負担。
・ヒトの脊柱は上半身の全体重を支えなければならず、何の前触れもなく折れることがある。
・脊椎の棘突起が椎骨本体から分離し、椎骨がずれてしまうことがある。
・脊椎すべり症はヒト特有の症状。
・さらに患者数が多いのが椎間板ヘルニア
・椎間板が椎骨から突出し、神経を圧迫することで起こる。


・ヒトの場合はその体重のほとんどが直接膝にかかる。
・一歩ごとに体重の2倍の力が膝により吸収される。
・走っているとき、膝が吸収する衝撃は体重の七倍以上もの強さ。
・衝撃の一部は筋肉により吸収され、軟骨も緩衝材として衝撃の一部を吸収。
・加齢などで緩衝材が劣化すると、軟骨は自然回復が困難。
・軟骨の磨耗は痛みを伴う関節炎の原因となる。


・年に20万人近くのアメリカ人が前十字靱帯断裂を経験している。
・前十字靱帯の損傷は男性より女性に多い。
・この損傷が多発する原因は、ヒトが二本足で歩くから。
・ヒトの膝は、二足歩行の代償の痛々しい一例。


★応急処置の代償
・足裏には10個の筋肉が4層重なってついている。
・そのうちいくつかは、足のアーチを維持する働きをしている。
・その他は、足を踏み出すのに不可欠な筋肉。
・大半の靴は、これらの筋肉を脆弱にする恐れがある。
→足の怪我のリスクが高まる。


・メキシコ先住民族のタラウマラ族は、長距離走の能力の持ち主として知られる。
・タラウマラ族の足は典型的なアメリカ人のそれよりもアーチが高く、硬く、筋肉が大きい。
・ベアフットシューズでトレーニングしたグループは、12週間後、二種類の筋肉が20%大きくなり、アーチの硬さは60%増した。