ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

世界の本当の仕組み

バーツラフ・シュミル 著  柴田 裕之 訳

「世界の本当の仕組み」メモ

 

 世界の本当の仕組みを読み終えた。

 

 現代文明の素材の4本柱は、鉄鋼、セメント、アンモニア、プラスティックで、それらの製造や輸送には化石炭素が必須ということだ。

 IT、AI、量子コンピュータなど情報系産業が花盛りの時代になり、鉄鋼とかセメントなんて、ひと昔まえの終わった産業だと思っていたけど、とんだ勘違いをしていた。

 仮にAIがシンギュラリティを迎えたとしても、人間が物理的実体として存在している限り、建物や道や橋、食料は必要なわけで、現代文明の4本柱はこの先も変わることはないようだ。

 

 全ての電力を風車や太陽光などのクリーンエネルギーでまかなえるようになったとしても、全エネルギーに占める電力の割合は20%以下で、残りの80%以上のエネルギーは相変わらず化石炭素依存になるようだ。

 

  脱炭素化は必要なことだけど、現代文明の化石炭素依存は相当根深いので、簡単には進まず、温度上昇を産業革命前の1.5℃に抑えるのも、もう現実的には無理のようだ。

 二酸化炭素は排出後、最長で200年も大気中に留まり続けるので、脱炭素を進めても、効果を実感できるまでに何十年もかかるとのことだ。

 目先のことしか考えない我々人間に、長期的な脱炭素の取り組みなんて、無理じゃね?

 

 二酸化炭素を捉えて回収したり、岩盤に固定したりする技術も研究されているようだけど、今の時点では排出量に対して焼け石に水程度の効果しかないようだ。

 脱炭素は簡単には進まないので、この先どんどん温暖化が進み、南極の氷もどんどん溶けて海面上昇が進み、豪雨災害も増えることになりそうだ。

 地球環境の悲観的な未来しか思い描けないけど、あと数十年で人類が滅びることはないだろうし、やれることをやりながら、しぶとく生き延びていくしかないんだろうな。

 

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バーツラフ・シュミル 著  柴田 裕之 訳
「世界の本当の仕組み」メモ

 

第7章 未来を理解する ーこの世の終わり(アポカリプス)と特異点(シンギュラリティ)のはざまで

 

<まとめ>

・最近の脱炭素化のペースを3倍、4倍にしても、2050年には化石炭素が相変わらず主役で、鉄鋼、セメント、アンモニア、プラスティックは、文明の素材の四本柱として存続するはず。
・現在全排出量の80%を占める上位5ヵ国が、明確で拘束力のある協定に同意しないかぎり、真の進展はない。
・私たちには未来を軽視する傾向があり、二酸化炭素は排出後、最長200年大気中に留まり、削減努力をしても効果が見られるのは何十年も先で、世代をまたいだ長期的・効果的な取り組みは困難。