ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

新版 日本人になった祖先たち DNAが解明する多元的構造

篠田 謙一 著

「新版 日本人になった祖先たち DNAが解明する多元的構造」メモ

 

  新版 日本人になった祖先たち を読み終えた。

 通常のDNAは両親から受け継いだものがミックスされるが、親の持つDNAがそのまま子孫に伝わるものが存在する。母から子供に伝わるのがミトコンドリアDNA、男性に継承されるのがY染色体を構成するDNAで、ミトコンドリアDNAで母親の系統、Y染色体のDNAで父親の系統を遡ることができる。

 DNA分析の結果、現生人類はアフリカで生まれ、出アフリカを成し遂げた祖先集団は、世界各地で、先行してアフリカを出ていたネアンデルタール人やアジアの原人などの子孫と交雑しながら拡散したとのことだ。

 

 二重構造説は、「均一な縄文人社会」が、水田稲作と金属器の加工技術をもった大陸由来の集団を受け入れたことにより、本土日本を中心とした中央と、南西諸島・北海道という周辺に分化していくシナリオだ。

 本土日本、アイヌ琉球の3集団のミトコンドリアDNAハプログループ頻度は互いに異なり、アイヌ琉球集団の間に類似性は認められず、DNAデータは二重構造説を支持しないとのことだ(二重構造説は概ね正しいが、「均一な縄文人社会」が形成されたプロセスの説明がない)。

 日本に国家が成立したのを1500年前と仮定すると、それ以降では渡来人との混血はあまり無く、単一民族であるという考え方ができる。

 日本に国家が成立するずっと前に日本にやってきた人々は、東アジアから移動してきたため、現代日本人も東アジアの人々とDNAを共有している。縄文時代の本土日本、アイヌ琉球の3集団はDNA的にも文化的にも異なる集団だった。これらのことより、日本は単一民族国家ということはなく、多民族国家ということのようだ。

 日本は島国で、海外の人々との混血が少ないため、単一民族国家だという意識を持って生きてきた。DNAの見地から見ると、そんなことはないし、民族としての血統みたいなことにこだわるのも、意味のないことなんだなと思い知らされた。

 

 日本では少子高齢化、人口減少が進んでいて、これから先は海外の人々を受け入れていかないと国自体が消滅しかねない。世界でもグローバル化が進み、世界全体で均一化する方向に進むようだ。

 自国中心主義や孤立主義のような動きが出てきているのは、均一化に対する拒否反応のようなものかもしれない。

 

 現生人類は世界各地でポツポツ生まれたわけではく、元をたどればアフリカにいた祖先に収斂するので、DNAレベルで人類皆兄弟だということが明らかになった。

 国同士や国家内でも経済的・武力的な争いが相変わらず続いているけど、もうちょっとお互いを思いやった行動ができないものかな。

 

<20文字でまとめ>

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篠田 謙一 著

「新版 日本人になった祖先たち DNAが解明する多元的構造」メモ

第8章 DNAが語る私たちの歴史

<まとめ>

・国の成立と集団としての日本人の成立は分けて考えるべきもので、日本列島における集団の成立の歴史は重層的で複雑なものであり、日本は単一民族ではない。
ミトコンドリアDNAやY染色体のDNAは、私たちの持つDNAのごく一部であり、その由来は自分自身の持つすべてのDNAの出自を示しているわけではない。
・今後の社会は、地域に固有のDNAの組成が解消する方向に進むが、自国中心主義、戦前へ回帰するような最近の風潮は、それに対する反応かもしれない。