- 作者: アンソニージー,杉山滋郎,木原英逸,佐々木光俊
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 1989/12/01
- メディア: 単行本
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第2章 対称性と単純性 メモ
○回転対称性
・われわれがその視点を回転させても、物理世界は同一のまま保たれる。・物理学が回転対称性をもっているということは、この空間内で特定の方向を選別していないこと。
・これまでつねに実験結果は回転対称性を支持している。
・物理学者の眼では、美の意味とは対称性
○物理法則の対称性
・本書で扱うのは基本法則の対称性
○春とスプリングを還元すると
・物理学は還元主義
・物理現象は複雑な諸々の現象がその基本要素へと還元可能。・電子と光の相互作用は、ゲージ原理として知られる対称性の原理により完全に規定される。
→この自然界を貫いて働いている原理。・われわれが直接気がつくような物理現象のほぼすべては、電子と光の間の相互作用により説明される。
○単純さから生まれた複雑さ
・自然に見られる複雑さは単純から出現したもの。・自然のルールは単純であるが複雑に入り組んでいる。
・ルールに見られる入り組んだ諸関係が多くの物理現象に見られる興味深い結果を生み出す。・自然のデザインは単に単純なだけではなく、は必要最小限度の単純性をもつ。
○強さのヒエラルキー
・粒子間の四つの基本的な相互作用
1.電磁相互作用
2.重力相互作用
3.強い相互作用
4.弱い相互作用・電磁相互作用:原始同士をつなげ、光や電波の伝搬を支配し、化学反応を起こす。
・重力相互作用:惑星や銀河をまとめ、この宇宙の膨張をコントロールしている。
・強い相互作用:原子の核をまとめる。
・弱い相互作用:ある種の放射性核子の崩壊を引き起こす。・重力は他の三つに比べてずっと弱い。
二つの陽子間に働く電気力の強さは、その間の重力による引力に比べて10^38も強い。
・重力の弱さが粒子数の大きさで補償されている。
・粒子のもつ電荷の符号により引力であったり斥力であったりすること、物質は正確に等しい電子と陽子からなるため、物質間の電気力は打ち消し合う。・一つの相互作用を研究するさい、他の相互作用は無視できる。
・粒子数の莫大さと基本相互作用の強さにみられる大きな違いが、この宇宙に見られるさまざまなスケールを生み出す。
○対称性を導き手として
・物理学者たちが最初に気づいたのは、この空間にまつわる対称性、つまり「回転」と「反転」。