ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

宇宙のデザイン原理

宇宙のデザイン原理―パリティ・ゲージ・クォーク

宇宙のデザイン原理―パリティ・ゲージ・クォーク

第13章 究極のデザインの問題 メモ
○デザインの問題
・対称性は統一性、全一性を示すのに、この世界は多様性を見せている
・物理学者はマクロな世界の現象を電磁的相互作用の現れとして、対称性に還元してきた。
・多様性とは、粒子の相互作用のレベルのこと。
・4つの相互作用(強い相互作用、電磁相互作用、弱い相互作用、重力相互作用)は異なる結合強度をもち、その特徴も異なる。
・各粒子はさまざまな特性をもつ
・多様性を整理すれば、世界の構造を知ることができる。


○対称性と多様性
・もしデザインが完全に対照的であったなら、唯一の相互作用しかありえず、基本粒子はすべて同じ粒子となり、たがいに区別できない。
・厳密な対称性は、異なった性質をもつ粒子と関係することができない。
 (同じ質量をもつ同じフレーバーのクォークを関連づけることはできても、異なったフレーバーのクォークについては関連づけできない)


○対称性の自発的破れ
・物理学において対称性というときには、幾何学的形象の対称性ではなく、作用の対称性について語っている。

・対照的変換は作用を不変に保つが、その変換は特定の経歴については不変に保ったり、保たなかったりする。

<対称性の自発的破れ>
・現実の経歴が、作用を不変にする変化のもとで不変ではないとき

・作用自身がたんに近似的に対照的であるにすぎない場合、対称性は「明示的」に破れている。


○平静と興奮
・基礎物理学者たちは、世界の基本的な作用と世界の布置とに興味を抱いている。


・「場」は特定の時間における、ある数の組により特徴づけられる。
・電磁場はすべての場所で0のとき安定。
・光子は電磁場の励起子であり、電磁場は安定から励起されたという。

・励起子の研究から、与えられた場の理論を支配する作用について知ることができる。

・世界の布置とは、安定状態における世界の記述のこと。


・安定状態がゼロではない場を、ヒッグス場と呼ぶ。
・ヒッグス場を変化させる変換は、自発的に対称性が破れる。


○無の研究
・粒子は励起状態であり、「真空」とは励起状態をすべて取り去ってしまった世界のこと。


○デブの仲介人
弱い相互作用では、媒介粒子があるとすれば、パイオンよりも重い粒子によって説明される。
弱い相互作用の媒介粒子は、「中間ベクトルボソン」W。
・W粒子の質量は、パイオンの数百倍。

・W粒子h電磁相互作用の媒介粒子である光子と似てい点と異なる点がある。
 (1) Wと光子のスピンは同じ大きさ
 (2) 光子は質量をもたないが、Wは重い質量をもつ
 (3) 粒子が光子を放出するときはパリティが保存されるが、粒子がWを放出するとき、パリティは保存されない。


○同じ強さということ
・量子物理学において相互作用の強さは、ある距離だけ離れた二つの粒子が相互作用するその確率振幅により測られる
・相互作用は、媒介粒子が二つの粒子間を行き来する結果なので、確率振幅は三つの確率振幅の積に等しい。
 (1)一つの粒子が媒介粒子を放出する振幅
 (2)媒介粒子が他の粒子に吸収される振幅
 (3)他の粒子が媒介粒子を放出する振幅
・Wは重いので、一方の粒子から他の粒子へと移る確率振幅は非常に小さくなる。→弱い相互作用が弱い理由

・粒子がWを放出する振幅と光子を放出する振幅が同じであると仮定すると、弱い相互作用と電磁相互作用との相対的強度は、Wの質量だけで決まる


○昔別れた兄弟
・SU(2)xU(1)対称性はZボソンと呼ばれるゲージ・ボソンを要求する。
ニュートリノがZボソンを放出したり吸収したりするとき、ニュートリノはそのままであり、この点においてZボソンは光子に似ている
・粒子が光子を放出したり吸収したりするときに粒子は変化しない。
・Zの放出・吸収では光子の放出・吸収と異なり、パリティが破られる。


○救出のための自発的破れ
ゲージ理論では、ゲージ対称性からゲージ・ボソンは質量ゼロでなくてはならなかった。ケージ対称性が自発的に破れると、ケージ・ボソンが質量もつもようになる。
→この現象をヒッグス機構という
・対称性の自発的破れのゲージ理論では、いくつかのゲージ・ボソンは質量をもち、残りは質量ゼロにとどまる。
→WとZボソンには質量をもたせ、光子の質量はゼロにとどめることができる。


弱い相互作用と電磁相互作用との違いを説明するのにヒッグス機構を使う。
・電磁相互作用と弱い相互作用の理論は、「標準理論」と呼ばれる。

ファインマン物理学Ⅳ 電磁波と物性

ファインマン物理学〈4〉電磁波と物性

ファインマン物理学〈4〉電磁波と物性

第19章 粘性のない流れ メモ

19-1 流体静力学

・流体は、ずりの応力を瞬時も保つことができない
・流体の流れにくさを表す尺度は「粘性」


・応力は流体内の任意の面に対して常に垂直
・単位面積に垂直な力は圧力
・圧力応力はあらゆる方向について同じ


・流体の重さのために圧力は高さと共に変化する。
 流体の密度ρを一定、ある任意の高さゼロの圧力をp0とする
 高さhのところの圧力はp=p0−ρgh
 gは単位質量に対する重力

 組み合わせ p+ρgh は静止流体内で一定。


・水中に小さな立方体を考え、これにはたらく圧力を加える。
 単位質量に対する位置エネルギーをφとする。
 ポテンシャルで表すと、単位質量に働く力は−∇φで与えられる。
 ρを流体密度とすれば、単位体積に働く力は−ρ∇φ。
 単位体積に働くこの力と単位体積に働く圧力の力とを加えたものは平衡において0なので

   −∇p−ρ∇φ=0      (19.1)


 (19.1)は流体静力学の方程式で、一般的には解をもたない。
 ρが一定であるときに限り解をもつ。

   p+ρφ=一定


19-2 運動方程式

・圧力と密度を関係づける流体の状態方程式

   ρ=一定


 流体の速度をv~とすれば、単位面積をとおり単位時間に流れる質量はρv~のその面に垂直な成分。

   ∇・(ρv~)=−∂ρ/∂t     (19.2)



 これは流体力学の連続の方程式。
 縮まない流体の近似ではρは一定なので

   ∇・v~=0      (19.3)


 流体の速度v~は、磁場B~と同様、発散が0.


・流体の体積素片の質量に加速度を掛けたものは、この素片に働く力に等しくなければならない。
 単位体積に働く力をf~とすれば

   ρ×(加速度)=f~


 単位質量に対してポテンシャルφの遠くから働く外力をもつとすれば、これは力の密度−ρ∇φを与える。
 流れている流体では、ずりの応力も存在することがあり、単位体積に対する内力も働く。
 これは粘性力でf~粘性と書く。

   ρ×(加速度)=−∇p−ρ∇φ+f~粘性    (19.4)


・加速度

   (v~・∇)v~+∂v~/∂t     (19.5)


 (19.5)を(19.4)に代入する

   ∂v~/∂t+(v~・∇)v~=−∇p/ρー∇φ    (19.6)


 ベクトル解析の恒等式

   (v~・∇)v^=(∇×v~)×v~+∇(v~・v~)/2


 ベクトル場Ω~をv~の回転として定義する。

   Ω~=∇×v~     (19.7)


 であり、ベクトルの恒等式

   (v~・∇)v~=Ω~×v~+∇v^2/2


 運動方程式(19.6)は

   ∂v~/∂t+Ω~×v~+∇v^2/2=−∇p/ρ−∇φ   (19.8)


・ベクトル場Ω~をうず度という。うず度がどこでも0であれば、流れはうずなし。