- 作者: ファインマン,レイトン,サンズ,戸田盛和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: 単行本
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第19章 粘性のない流れ メモ
19-1 流体静力学
・流体は、ずりの応力を瞬時も保つことができない
・流体の流れにくさを表す尺度は「粘性」
・応力は流体内の任意の面に対して常に垂直
・単位面積に垂直な力は圧力
・圧力応力はあらゆる方向について同じ
・流体の重さのために圧力は高さと共に変化する。
流体の密度ρを一定、ある任意の高さゼロの圧力をp0とする
高さhのところの圧力はp=p0−ρgh
gは単位質量に対する重力組み合わせ p+ρgh は静止流体内で一定。
・水中に小さな立方体を考え、これにはたらく圧力を加える。
単位質量に対する位置エネルギーをφとする。
ポテンシャルで表すと、単位質量に働く力は−∇φで与えられる。
ρを流体密度とすれば、単位体積に働く力は−ρ∇φ。
単位体積に働くこの力と単位体積に働く圧力の力とを加えたものは平衡において0なので−∇p−ρ∇φ=0 (19.1)
(19.1)は流体静力学の方程式で、一般的には解をもたない。
ρが一定であるときに限り解をもつ。p+ρφ=一定
19-2 運動方程式
・圧力と密度を関係づける流体の状態方程式
ρ=一定
流体の速度をv~とすれば、単位面積をとおり単位時間に流れる質量はρv~のその面に垂直な成分。
∇・(ρv~)=−∂ρ/∂t (19.2)
これは流体力学の連続の方程式。
縮まない流体の近似ではρは一定なので∇・v~=0 (19.3)
流体の速度v~は、磁場B~と同様、発散が0.
・流体の体積素片の質量に加速度を掛けたものは、この素片に働く力に等しくなければならない。
単位体積に働く力をf~とすればρ×(加速度)=f~
単位質量に対してポテンシャルφの遠くから働く外力をもつとすれば、これは力の密度−ρ∇φを与える。
流れている流体では、ずりの応力も存在することがあり、単位体積に対する内力も働く。
これは粘性力でf~粘性と書く。ρ×(加速度)=−∇p−ρ∇φ+f~粘性 (19.4)
・加速度
(v~・∇)v~+∂v~/∂t (19.5)
(19.5)を(19.4)に代入する
∂v~/∂t+(v~・∇)v~=−∇p/ρー∇φ (19.6)
ベクトル解析の恒等式
(v~・∇)v^=(∇×v~)×v~+∇(v~・v~)/2
ベクトル場Ω~をv~の回転として定義する。
Ω~=∇×v~ (19.7)
であり、ベクトルの恒等式は
(v~・∇)v~=Ω~×v~+∇v^2/2
運動方程式(19.6)は
∂v~/∂t+Ω~×v~+∇v^2/2=−∇p/ρ−∇φ (19.8)
・ベクトル場Ω~をうず度という。うず度がどこでも0であれば、流れはうずなし。