ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理学Ⅱ 光 熱 波動

ファインマン物理学〈2〉光・熱・波動

ファインマン物理学〈2〉光・熱・波動

第17章 分子運動論の応用 メモ

17-1 蒸発

・蒸気の単位体積中にn個の分子があるとする。
・液体の単位体積に含まれる分子の数:1/Va
・Vaが1個の分子により占められる体積とすると、単位体積中の分子数は、
単位体積を各分子の体積で割った1/Vaになる。
・液体から蒸気に分子をとりだすにはある量Wの仕事を必要とする。

 蒸気内の単位体積中の分子数をn、液体内の単位体積中のその数を1/Vaと
すれば

   nVa=e^-W/kT    (17.1)


・液体中では蒸気の中より分子が密なのは、高さWのエネルギーの山までもち上げ
なければならないからで、密度の比はe^-W/kTとなる


17-2 熱電子放出

・1秒間にタングステンからどれだけの電子が出てゆき、その数が温度でどう
変わるか


 Va:金属内での1個の電子当たりの体積

 W=qeφ:qeは電子の電荷の大きさ、φは仕事関数(1個の電子を表面から
        引き離すのに必要な電圧)

 単位面積を通して出てゆく電流は、単位面積に単位時間に到達する電子の数に
電荷をかけたものに等しい

 単位面積に単位時間に到達する電子の数は、単位体積中に含まれる電子の数n
に速度vをかけたものになるので、電流の強さは次式となる。

   I=qenv=(qev/va)e^-qeφ/kT     (17.6)


17-5 アインシュタインの輻射の法則

・原子に適当な振動数の光があたると、原子はその光子を吸収し、nの状態から
mの状態へ遷移する。

・遷移の起こる確率は照らす光の強さに比例し、比例定数をBnmとする

・自然放出(spontaneous emission):
 光がない場合に励起された状態の原子が光子を放出し、低い状態に落ちること

・光の強さに比例する吸収

誘導放出(induced emission, stimulated emission):
 光の強さに比例する放出

・励起された状態の原子は、準位に依存するある確率Amnでmからnに移る

・適当な振動数の光が原子を照らす場合、光子を放出する割合が光の強さに比例
して増加し、このときの比例定数をBnmとする。


・温度Tの熱平衡状態にて、nの状態にNn個の原子、mの状態にNm個の原子
があるとする。1秒間にnからmに移る原子の総数は、nの状態にある原子と
nに1個の原子があるときそれがmに移る確率との積になる。1秒間にnからm
に移る数は

   Rn→m=NnBnmI(ω)     (17.13)


 mからnに移る数は

   Rm→n=Nm〔Amn+BmnI(ω)〕   (17.14)


 Em−En=hωであるので

   Nm=Nne^-hw/kT    (17.15)


 二つの変化速度を等しくおくと

   NnBnmI(ω)=Nm〔Amn+BmnI(ω)〕


   I(ω)=Amn/(Bnme^hω/kT−Bmn)     (17.17)


 誘導放出確率と吸収確率は等しく

   Amn/Bmn=hω^3/π^2c^2     (17.18)


・ある準位に対する吸収の頻度が分かれば、それから自然放出の頻度と誘導放出
頻度が分かる