
- 作者: ファインマン,レイトン,サンズ,戸田盛和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: 単行本
- クリック: 17回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
第11章 密な物質の屈折率 メモ
11-1 物質の分極
・光波の電場は気体分子を分極させ、振動する双極子モーメントを生じる。
振動電荷の加速度は場に新しい波を輻射する。
新しい場は元の場と干渉し、場を変化させ、その結果は元の波の位相を変化させた
のと同じことになる。
位相変化は物質の厚さに比例するので効果は物質内で位相速度が異なることと同等。
・単位体積内にN個の粒子があり、各粒子は調和振動子として振る舞うとする。
電子が変位に比例する力により束縛されていると考える。
運動方程式はF=qE=m(x''+γx'+ω0^2x) (11.1)
ここでxはE~の方向に平行な変位。
E=E0e^jωt (11.2)
x=x0e-jt
x'=iωx、x''=−ω^2xとおいて代入してxについて解く。
x=(qe/m)E/(−ω^2+iγω+ω0^2) (11.3)
変位が分かれば加速度x''が求められ、屈折率を生じる輻射波を知ることが可能。
・原子の双極子モーメントpはqexであり、式(11.3)を用いて次式となる。
p~=(qe^2/m)E~/(−ω^2+iγω+ω0^2) (11.4)
p~はE~に比例するので
p~=ε0α(ω)E~ (11.5)
と書くとαは原子の分極率。
α=(qe^2/mε0)/(−ω^2+iγω+ω0^2) (11.6)
・各モードに対する三つのパラメータω、γ、fをそれぞれωk、γk、fkで表し、
種々のモードについて和をとると式(11.6)は次式となる。α(ω)=(qe^2/ε0m)Σ(k)fk/(−ω^2+iγkω+ω0k^2) (11.7)
物質の単位体積中の原子数をNとすれば分極PはNp=ε0NαEであり、Eに比例。
P~=ε0Nα(ω)E~ (11.8)
・物質に正弦的な電場が作用するとき、単位体積あたりに誘起される双極子モーメント
は電場に比例する。
比例定数αは振動数に関係し、高振動数ではαは小さく、応答は小さい
低振動数では強い応答がある。
比例定数は複素数で、分極が電場に完全について行かず、位相のずれがあることを示す
電場の強さに比例して単位体積の分極が生じる。
11-3 誘電体内の波
・原子に束縛された電荷以外に余分な電荷がない場合の誘電体の物質内にどのような
電磁はが存在するかを考える。ρ=−∇・P~、j~=∂P/∂tであり、マクスウェル方程式は
(a)∇・E~=−∇・P~/ε0 (b)c^2∇×B~=∂/∂t(P~/ε0+E~)
(c)∇×E~=−∂B~/∂t (d)∇・B~=0 (11.19)
∇^2E~−(1/c^2)∂^2E~/∂t^2=−(1/ε0)∇(∇・P~)
+(1/ε0c^2)∂^2P^/∂t^2 (11.20)
E~のダランベリアンが分極P~を含む2項と相等しい。
・屈折率n
n^2=1+(Nqe^2/mε0)(1/(−ω^2+iγω+ω0^2)) (11.27)