第六章を読んだ。われわれはエントロピーが増大する宇宙に存在し、その中で秩序を保つために進化の過程で「意思」が生まれ、A系列の主観的時間が創造された。ひとりでに秩序が生まれる、エントロピーが減少する宇宙では「意思」は生じない(生命も存在しえない)。
- 作者: 橋元淳一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/14
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橋元淳一郎 「時間はどこで生まれるのか」
第六章 <主観的時間の創造> メモ・われわれの宇宙(時空)がC系列であるとすれば、宇宙はだた存在するだけ。
・そこには空間的拡がりや時間的経過はない。
・光子にとっては時間も空間も存在しないが、しかしそれでも光子は存在する。
・実在とは、時間や空間を超越した何か
(”モノ”ではなく、「情報」とか「関係」のような”コト”かもしれない)
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☆生命こそ秩序そのものである
・われわれはなぜ秩序に価値を見出すのか。
⇒それは、われわれが生命だから。
生命こそは秩序であり、秩序なくしては存在しえないものだから。
・秩序は放っておくと乱雑さへと崩壊していく。
・生命も同じく、エントロピー増大という自然法則にしたがって乱雑さ、すなわち死へと向かう。
・生き続けていくために、エントロピー増大の法則に逆らう「努力」が必要
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☆生命は自動機械ではなく「意思」をもつ
・生命が生命である限り、生きる「意思」をもっている。
・「意思」は進化の過程の中から生まれたもの。
・時間の向きや流れも、進化の過程の中から生まれたに違いない。
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☆秩序維持の「意思」は進化の過程で生まれた
・自然選択の圧力は、「意思」による選択に長けた生命を生き延びさせる。
・最初は結晶や竜巻といった自然現象と同程度の、機械的な秩序維持機能力であったも
のが、徐々に生きる「意思」へと進化し、はっきりと自由意思をもった生命へ
進化していく
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☆ひとりでに秩序が生まれる世界に「意思」は生じえない
・エントロピー減少が成立する世界では、世界全体がひとりでに秩序に向かうため、
そこには自然選択というような進化の圧力が働く必然性がなく、「意思」は生じない
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☆エントロピー増大の外圧が主観的時間を創造する
・生命を維持にはエントロピー増大の法則に反する必要があり、には「強い努力」が必要。
・この「強い努力」が「意思」。
・初期の生命がやがて「本当に生きる」ようになり、「意思」が明確になって自由に行動
できる未来をもつ。
・ここにA系列の主観的時間が創造される。