ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理Ⅲ 電磁気学

ファインマン物理学〈3〉電磁気学

ファインマン物理学〈3〉電磁気学

第4章 静電気 メモ

4-1 静電磁気学

・マクスウェルの方程式
   ∇・E~=ρ/ε0、          (4.1)

   ∇×E~=−∂B~/∂t、       (4.2)

   c^2∇×B~=∂E~/∂t+j~/ε0、 (4.3)

   ∇・B~=0              (4.4)


電荷はすべて空間に固定されていて、動くにしても回路内を定常の流れを
なして動く(ρもj~時間的に変わらない)条件下では、マクスウェルの方程式
に現れる場の時間微分はすべて0になる。

 静電気: ∇・E~=ρ/ε0     (4.5)

      ∇×E~=0        (4.6)


 静磁気: ∇×B~=j~/ε0c^2   (4.7)

      ∇・B~=0       (4.8)


電荷も電流も時間的に不変である限り、電気と磁気は別々の現象
電荷や電流に変化があり、変化が急速でマクスウェル方程式中の時間微分が重要
になってはじめてE~とB~は互いに関係する


・静電気はcurlが0(渦なし)でdivの値の与えられたベクトル場の例題
・静磁気はdivがなくてcurlが与えられた場の例題


4-2 クーロンの法則;重ね合わせ

・静止した2電荷の間には電荷の積に比例し距離の2乗に逆比例する力がはたらき
力は一方の電荷から他方へ結ぶ直線の方向にある。

 クーロンの法則: F~1=(1/4πε0)(q1q2/r12^2)e~12=−F~2 (4.9)


 F~1は電荷q1にはたらく力、e~12はq2からq1の方向の単位ベクトル、
r12はq1とq2の間の距離。q2にはたらくF~2はF~1と等しく向きが反対


 比例定数は1/4πε0と書かれる。

   1/4πε0=10^-7c^2 (定義)

         =9.0×10^9 (実験)    (4.10)

   単位:(ニュートン)・m^2/(クーロン)^2

      (ボルト)・m/(クーロン)


・q1に働く単位電荷あたりの力を場E~(1)という。

 q1のほかに電荷が一つしかないとき

   E~(1)=(1/4πε0)(q2/r12^2)e~12   (4.11)


 E~(1)は点(1)における電場であるという。


・x成分を書くと次式となる

   Ex(x1,y1,z1)=

(q2/4πε0)(x1−x2)/[(x1−x2)^2+(y1−y2)^2+(z1−z2)^2]^3/2
                                  (4.12)

・j番目の電荷の量をqjとし、qjから点(1)への距離をr1jとすると

   E~(1)=Σ[j](1/4πε0)(qj/r1j^2)e~1j    (4.13)


   Ex(x1,y1,z1)=

     Σ[j](1/4πε0)qj(x1−x2)
           /[(x1−x2)^2+(y1−y2)^2+(z1−z2)^2]^3/2
                                 (4.14)


4-3 電位

・電位(電気ポテンシャル)の概念は、電荷を選んである点から他の点に行く仕事
に関係する。

・電気力に対してする仕事は、運動方向への電気力の成分の符号をかえたものを
道筋にそって積分したものに等しい

 点aから点bまで電荷をはこぶと

   W=−∫[a→b]F~・ds~


 で、ここにF~は各点で電荷に働く電気力、ds~は道筋にそう微分変位ベクトル


・1単位の電気量をはこぶときの仕事を考えると都合がよく、電荷にはたらく力は
数値としては電場と同じである。このとき電気力に対してする仕事をW(単位)と
かくと、

   W(単位)=−∫[a→b]E~・ds~    (4.19)


 静電位:   φ(P)=−∫[P0→P]E~・ds~    (4.22)

  基準点を無限遠にとり、原点にだた1個の電荷があるとき、任意の点
 x、y、zのポテンシャルφは

   φ(x、y、z)=(q/4πε0)・(1/r)    (4.23)


  重ね合わせの原理により、電位φに対する式は

   φ(1)=Σ[j](1/4πε0)・(qj/r1j)    (4.24)



   φ(1)=(1/4πε0)∫ρ(2dV2/r12    (4.25)


 ここに点(1)は電位を求める点。
 電位φの物理的意味:単位の電荷が基準点から空間の与えれた点まで運ばれる
とき得る位置エネルギー


4-4 E~=−∇φ


・E~はφから容易に求まる 

・xとx+dxにあり、yとzは同じ値をもつ2点を考え、単位電荷を一方から
他方へ運ぶ仕事はいくらになるか

   ?W=φ(x+dx、y、z)−φ(x、y、z)=(∂φ/∂x)dx


 場に対してする仕事は同じ道について

   ?W=−∫E~・ds~=−Exdx


 従って

   Ex=−∂φ/∂x    (4.26)


 同様にEy=−∂φ/∂y、Ez=−∂φ/∂zでまとめると

   E~=−∇φ    (4.27)


 これは(4.22)の微分形。



・任意の動径方向の力に対して、仕事は道に無関係であり、ポテンシャルが存在
する。

・ポテンシャルが存在し、E~のcurlが0であることは単に静電力の対称性と
方向性からくること。