ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

宇宙が始まる前には何があったのか?

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

ローレンス・クラウス 「宇宙が始まる前には何があったのか?」メモ


はじめに
・「なぜ何もないのではなく、何かがあるのだろうか?」
・宇宙が誕生するためには、何もないところから何かが生まれる必要がある。


第1章 いかに始まったのか?
・宇宙は膨張している。
・膨張は、およそ37億2千万年前に起こった高温度高密度のビッグバンで始まった。
・観測可能な宇宙には、4千億もの銀河が存在する。

・セファイド変光星は、明るさが規則的に変化する天体。
・ある変光周期をもつどれかひとつのセファイドまでの距離がわかれば、同じ変光周期をもつ別のセファイドの明るさを測定すれば、そのセファイドまでの距離がわかる。


宇宙は膨張している
天文学上のもっとも重要な発見のひとつは、星たちと地球とは、ほぼ同じ物質からできているという事実が明らかになったこと。

・吸収線:スペクトル分光の色の帯の中にある暗線のことで、太陽表面を取り巻く大気中に含まれる物質が、特定の色(特定の波長)の光を吸収するために生じる。
・吸収線の波長は、水素、酸素、鉄、ナトリウム、カルシウムなど、地球に存在する既知の物質が吸収する光の波長として測定されていた波長と同じ。


・星の光のスペクトルを調べることは、その星の組成、温度、進化を知るための非常に協力な道具である。
・さまざまな星雲からやってくる光のスペクトルは、それらの近隣の星のものとよく似ているが、吸収線の波長が、すべて同じだけずれている。
・波長がずれる現象は「ドップラー効果
・我々から遠ざかる光源からの光の波は、空間の中でその光源が行う局所的な運動により波長が引き伸ばされるだけでなく、我々と光源とのあいだの空間が膨張することによっても、波長が引き伸ばされる。
 波長が伸びた光の波は、伸びなかった場合に比べて、赤みを帯びて見える。赤は光のスペクトルの中の可視光領域のうち、波長の長い端に位置しているから。

・どの渦巻銀河からやってくる光の吸収線も、波長の長いほうにずれている。
→「ハッブルの法則」:銀河の後退速度と銀河までの距離は比例しており、遠くの銀河ほど大きな速度で我々から遠ざかっている。


・ビッグバン・モデルで過去にさかのぼり、宇宙の年齢が1秒だったときの宇宙の様子を計算すると、今日観測されている物質はすべて、絶対温度で100億度ほどの高密度のプラズマ状態になっていた。
この温度では、原子核反応が容易に起こり、陽子と中性子がひととき結びついては、衝突のためにふたたびバラバラになることが繰り返される。
宇宙が冷えるにつれ、その反応過程がどう変わるか調べると、宇宙初期の原子核の構成要素(陽子と中性子)がどれくらいの頻度で結びつき、水素よりも重い原子(ヘリウム、リチウム等々)の原子核がどれぐらい形成されたかを予測することができる。

ビッグバンの時期、宇宙初期の火の玉の状態では、原子核は(天然に存在する3番目に軽い原子核であるリチウムより重い原子核)はほとんど形成されなかった。もっとも軽い元素のいくつかについては、理論的に計算された存在量が、観測されている値とぴったりと合う。
それらの軽い元素(水素、重陽子(重い水素)、ヘリウム、リチウム)の存在量は、元素によって10桁ほども値が異なるが、これほど広い幅を持つ数値が、観測値と理論的な予測のあいだで一致している。
→ビッグバンが実際起こったということを示す予測の成功例の中で、最も有名で重要なもののひとつ。


惑星運動の三法則
1 惑星は太陽の周りに楕円軌道を描いて進む。
2 惑星と太陽を結ぶ線は、同じ時間感覚では、同じだけの面積を掃く。
3 惑星の軌道周期の2乗は、その軌道の半長軸(楕円の長軸の半分)の3乗に比例する。