ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

サピエンス全史

ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ 

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

 ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ

第4部 科学革命
第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ

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【まとめ】
・知的設計は以下の三つで、どの形でも自然選択に取って代わり得る。
 ①生物工学
 ②サイボーグ工学(有機的器官と非有機的器官を組み合わせた生き物)
 ③非有機的生命工学
・未来のテクノロジーの持つ真の可能性は、感情や欲望も含めて、ホモ・サピエンスそのものを変えることであり、人間の意識とアイデンティティの根本的変化も含む。
・私たちが直面している真の疑問は、「私たちは何になりたいのか?」ではなく、「私たちは何を望みたいのか?」かもしれない。
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・サピエンスは生物学的に定められた限界を突破できないというのが、これまでの暗黙の了解。
ホモ・サピエンスは、自然選択の法則を打ち破り初めている。


・何十億年もの間、知的設計という選択しは存在しなかった。
・自然選択の体制に最初の亀裂が生じたのは、農業革命の間の、今から1万年前。
・サピエンスは選抜育種を行ったが、遺伝子プールに含まれない完全に新しい特徴は導入できなかった。
・今日、世界中の研究室で、科学者たちが遺伝子工学を使い生き物を操作している。


遺伝子工学による生命の知的設計が進めば、科学革命は歴史的革命以上のものとなるかもしれない。
・地上に生命が誕生して以来、最も重要な生物学的革命となりうる。


・知的設計は以下の三つで、どの形でも自然選択に取って代わり得る。
①生物工学
②サイボーグ工学(有機的器官と非有機的器官を組み合わせた生き物)
③非有機的生命工学

●生物工学:人間文化に由来する、あらかじめ抱いていた何らかの概念を実現するため、生物の形態や能力、欲求、欲望の改変を目指す、生物学的レベルでの人間の意図的な介入のこと。


・遺伝子を改変する私達の能力が、その技能を先見の明をもって賢明に行使する能力をりょうがしている。
遺伝子工学の可能性のうち、ほんの一部しか利用していない。
→植物や菌類、昆虫などの政治的なロビー活動があまり行われていない弱者たち。


・中期的(数十年後)には、遺伝子工学やその他の形態の生物工学のおかげで、私達の生理機能や免疫系、寿命だけでなく、知的能力や情緒的能力にまで多大な改変が行えるようになるかもしれない。
・完全に新しい種類の意識を生みだし、ホモ・サピエンスを何かまったく違うものに変容させることになるかもしれない。
・私たちが超人を生み出すのを妨げる克服不能な技術的障害はない。
・主な障害は、倫理的異議や政治的な異議


・遺伝子をいじくり回しても命が奪われるとは限らないが、ホモ・サピエンスに手を加えすぎて、私たちがもはやホモ・サピエンスではなくなる可能性はある。


●サイボーグ工学:有機的な器官と非有機的器官を組み合わせた生物


・現代人のほぼ全員がバイオニック。
→私たち生来の感覚や機能は、眼鏡やペースメーカー、矯正器具、コンピューターや携帯電話(脳によるデータ処理の負担を軽減)など、さまざまな装置で補強されている。
・私たちは、自分の身体と一体不可分の非有機的な器官を備えた、正真正銘のサイボーグに変身する瀬戸際にある。
・そうした器官は、私たちの能力や欲望、人格、アイデンティティを改変する。


●非有機的生命工学:完全に非有機的な存在を作り出すこと


・独自に進化を遂げられるコンピュータプログラムやコンピュータウィルス
遺伝的プログラミングでは、遺伝進化の手法を模倣する試みがなされている。
・そのようなプログラムのプロトタイプが「コンピュータウィルス」。


・2014年の世界では、文化が生物学の範から自らを解き放ちつつある。
・ヒトゲノムを初めて解析したときは15年の歳月と30億ドルの費用が必要だった。
・今日、人間一人のDNAを解析するのに、数週間と数100ドルしかかからない。


・医学知識の向上とともに、新たな倫理問題が発生する。
・すでに倫理学者と法律の専門家は、プライバシーの厄介な問題に手を焼いている。
→DNAと関係しているから


・医療が人間の能力を高めることに専心するようになったら、何がおこりかねないのか?
・全人類に能力を高める権利があるのか、それとも、新しい超人エリート層が誕生するのか?


・未来のテクノロジーの持つ真の可能性は、乗り物や武器だけでなく、感情や欲望も含めて、ホモ・サピエンスそのものを変えること。
・未来の支配者は、私たちとは違った存在となる。
→神のような存在になる


・歴史の次の段階には、テクノロジーや組織の変化だけでなく、人間の意識とアイデンティティの根本的変化も含まれる。
・それらの変化は根源的なものとなりえ、「人類」という言葉そのものがその妥当性を問われる。


ギルガメシュ・プロジェクトは科学のすることいっさいを正当化する
(病気を治療し、人命を救うため)
ギルガメシュを止めるのが不可能である以上、フランケシュタイン博士を止めることもできない。


・私たちに試みることができるのは、科学が進もうとしている方向に影響を与えること。
・私たちが直面している真の疑問は、「私たちは何になりたいのか?」ではなく、「私たちは何を望みたいのか?」かもしれない。