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社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ワープする宇宙

リサ・ランドール/監訳 向山信治 訳 塩原通緒 「ワープする宇宙」メモ  

リサ・ランドール  監訳 向山信治 訳 塩原通緒

「ワープする宇宙」メモ

 

Ⅲ部 素粒子物理学

第8章
幕間実験 ー 標準モデルの正しさを検証する
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【まとめ】
・高エネルギー粒子加速器では、加速された粒子ビームと反粒子ビームが正面衝突し、衝突エネルギーが重い粒子に転換し、あらゆる種類の粒子と反粒子のペアを生み出す。
・高エネルギー実験は、微少な距離スケールで働く短距離相互作用を探る唯一の方法。
CERNのLEPは無数のZボソンを量産し、標準モデルの予言を前例のない精密度で検証した。
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<高エネルギー粒子加速器
・高エネルギー粒子加速器の実験は、粒子を加速し、高速で運動する粒子ビームをつくり、その粒子を粉砕して別の物質に変換させる。
・高エネルギー粒子加速器のなかでは、加速された粒子ビームが、加速された反粒子ビームと正面衝突する。
・両者が衝突した小さな衝突領域に大量のエネルギーが生じる。
・このエネルギーが重い粒子に転換する。
・衝突型加速器は、あらゆる種類の粒子と反粒子のペアを生み出す。
・そのペアを生み出すのに十分なエネルギーがあればよい。
・高エネルギー実験は、微少な距離スケールで働く短距離相互作用を探る唯一の方法。


トップクォークの発見
トップクォークは陽子の200倍近い質量がある。
・特殊相対論の関係式より、きわめて高いエネルギーで働く加速器でしか生み出せない。
トップクォークを生み出した加速器は、フェルミ研究所のテヴァトロン。
・テヴァトロンは、陽子と反陽子をTev、1000ギガ電子ボルトまで加速する。
・テヴァトロンが発生するエネルギーを帯びた陽子と反陽子のビームは環状の循環する。
・双方が3.5マイクロ秒ごとに二つの衝突点でぶつかる。
・二つの衝突点それぞれに検出器を設置し、粒子と反粒子のビームの交差時に生じる物理過程を観測する。


・重い粒子の多くは不安定。
・ほとんど瞬時に崩壊する。
・実験では粒子そのものよりは、粒子の崩壊生成物を探す。
トップクォークは崩壊してボトムクォークとWボソンになる。
・Wボソンも崩壊してレプトンクォークになる。
 →トップクォークを探す実験は、ボトムクォークを別のレプトンクォークとともに見つけること。


・興味深い粒子が生まれる可能性はわずか。
・衝突を10兆回繰り返し、やっと1個のトップクォークが生まれる。


●標準モデルの精密テスト
CERNのLEP(大型電子陽電子衝突型加速器)は無数のZボソンを量産した。
・Zボソンは弱い力を伝える三つのゲージボソンのうちの一つで、電荷をもたない。
・何百万ものZボソンを研究することで、標準モデルの予言を前例のない精密度で検証した。