ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

 サイモン・シン著  ビッグバン宇宙論


 「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」に続くサイモン・シンの著作第三弾は、「ビッグバン宇宙論」。ビッグバン宇宙論に至る道筋を、ギリシャ時代から時間を辿りながら、その理論のみならず、研究者の人生や人間性にもスポットをあてて描いている。
 宇宙はどのように始まったのかという問いに対して、自然科学という方法を用いて答えを導こうとする多数の科学者たちの努力、苦闘を知ることができた。
 観測天文学者エドウィン・ハッブルは目立つのが好きで、ハリウッドの社交界で華々しく注目を集める存在だったことなど、研究者の人間性も描かれていて、興味深かった。
 宇宙論を研究したり、知ったところで、テロや飢餓が無くなるわけでもなく、何の役にも立たないかもしれない。しかし、人間の知的好奇心、「知りたい!」という欲求は、人間と動物を隔てているものだと思う。この本では、知的好奇心を満たしつつ、知の探求に人生をかけた人たち、自然科学の歴史を学ぶことができた。