
- 作者: ファインマン,レイトン,サンズ,戸田盛和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: 単行本
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第9章 結晶の幾何学的構造 メモ
9-1 結晶の幾何学的構造
・個体物質においては原子の繰り返しパターンが生じる。
・結晶中の一つの原子の周囲は、ある種の配列を持つ。
ずっと遠くの同じ場所でも、同じ種類の原子には、周囲が全く同じものがある。
また同じだけ遠ざかったところには、全く同じ条件が再び見出される。
このパターンは何度も3次元で繰り返される。
・結晶の内部的パターンが外に現れる場合
1.劈開面:結晶にほかよりも割れ易い面が存在
原子結合の強さは、ある方向では他方向より強いのがふつう2.結晶が形成される方法により、内部構造が表面に現れることが多い。
9-2 結晶の化学結合
・結晶の力学的性質は、原子間の化学結合の種類に関係する。
・イオン結合:正、負のイオンが3次元チェス盤のように並び、電気的な力で
結びあっている。・等極結合:電子が2個の原子の間で共有される結合。
ダイヤモンドでは炭素原子は4方向の最隣原子と等極結合し、
硬い結晶を構成する。・分子性結晶:分子は各々独立した個別性を保つ。
分子は互いに強く結ばれていないため、結晶は破壊しやすい。
・金属の結合は、相隣る原子間のものではなく、結晶全体の性質。
価電子は一つの原子、あるいは原子対に付属しているのではなく、
結晶全体に共有されている。・金属の結合には強い方向性はない。
多くの金属原子は、出来るだけ固く押し固めた小さな球のようなもの。
9-3 結晶成長
・珪素の原子は同類を見出し合い、また酸素を見出してシリカ(無水珪酸)が
できる。一度には一つの原子が他のものにくっつき、結晶が組み立てられていく。・成長していく結晶は、その原子が加わったときにエネルギーが可能な限り低くなる
ようなものならば、これを受け付ける。
9-4 結晶格子
・正立方体格子には体心立方と面心立方がある。
9-7 金属の強さ
・金属の単結晶は非常に変形しやすく、大変”やわらかい”。
・転位:結晶中の不完全さを示し、一つの列の中の原子の”欠けた”部分のこと
・転位は、結晶ができたときに既に存在しているか、表面のきずやわれ目のところ
で生じると想像されている。
・純粋な銅は大変やわらかいが、加工硬化する。
・ハンマーでたたいたり、曲げ伸ばしの繰り返しにより、多数の種々の新しい転位が
でき、たがいに干渉し合い、運動を阻害する。