
- 作者: ファインマン,砂川重信
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/04/07
- メディア: 単行本
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第4章 同種粒子 メモ
4-1 ボース粒子とフェルミ粒子
・同種粒子:もう一つの粒子と区別できない粒子
・一つの事象に対する振幅は、干渉をする二つの振幅の和で与えられる。
・ある場合には同じ位相で、また他の場合には反対の位相で干渉がおきる。
・ボース粒子:正の符号で干渉する粒子
・フェルミ粒子:負の符号で干渉する粒子
・ボース粒子:(直接の振幅)+(交換したときの振幅) (4.1)
・フェルミ粒子:(直接の振幅)−(交換したときの振幅) (4.2)
・内部構造をもつ物体を単一の物体とみなすことのできる場合、その物体がフェルミ粒子を奇数個含んでいるか、それとも偶数個含んでいるかによって、フェルミ粒子またはボース粒子のようにふるまう。
・半整数スピンをもつ複合物質はフェルミ粒子に似たもの、整数スピンの複合物質はみなボース粒子に類似したもの。
4-2 2個のボース粒子の状態
・粒子aは状態1に散乱され、粒子bは状態2に散乱される。
・計数管のそれぞれが1個づつの粒子を同時に捕らえる確率P2P2=|a1|^2|b2|^2+|a2|^2|b1|^2 (4.3)
・方向1と2は近接しているものとすると、
P2=2|a|^2|b|^2 (4.4)
・aとbが同種粒子であるとき、aが1の方向にゆき、bが2の方向にゆく過程と、aが2にゆき、bが1にゆく交換した過程とを区別することはできない。
この場合には、二つの異なる過程の振幅は干渉可能となる。二つの計数管のそれぞれが1個の粒子を捕らえる全体の振幅は<1|a><2|b>+<2|a><1|b> (4.5)
この1対の粒子を捕獲する確率は、この振幅の絶対値の2乗で与えれれる。
P2=|a1b1+a2b1|^2=4|a|^2|b|^2 (4.6)
・2個のボース粒子が同じ状態に散乱される確率は、粒子が異なるものとしたときの確率の2倍になる。
4-3 n個のボース粒子の状態
・n個のボース粒子を同時にカウントする確率は、それらの粒子がすべて区別できるものと仮定して計算した確率よりもn!倍だけ大きい
Pn(ボース)=n!Pn(異種) (4.21)
・ボースの場合の確率は、粒子が無関係に独立に行動するとして計算したものよりもn!倍も大きい。
・すでにn個の粒子がある特定の状態にあるとき、そこにさらに1個のボース粒子がはいる確率はいくらか。
Pn+1(ボース)=(n+1)!|abc・・・w|^2(?S)^n+1 (4.22)
・他の同種のボース粒子すでにn個あるときに、その同じ状態にさらにもう1個の粒子がはいる確率は(n+1)倍だけ増強される。
4-4 光子の放出と吸収
・1個の原子がある特定の終状態へ1個の光子を放出する確率は、その状態にすでにn個の光子が存在しているとき、(n+1)の因子だけ増大する。
4-7 排他律
・排他律:正確に同じ状態(スピンも含めて)に、2個の電子を発見することが
できないという法則
・排他律は大きなスケールの物体が安定に保たれる原因となっている。