ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

トマ・ピケティ 「21世紀の資本」

 今日は第八章を読んだ。

21世紀の資本

21世紀の資本

トマ・ピケティ 「21世紀の資本」 第八章 <二つの世界 メモ>


単純な事例―20世紀フランスにおける格差の縮小

フランスでは、ベル・エポック期(史上最も不平等な社会のひとつだった)以来所得格差が
大幅に減少した。

20世紀を通じた所得格差の大幅な減少は、ほぼ最上位の資本所得の減少だけによるもの。


20世紀のフランスにおける格差の縮小は、不労所得生活者の減少と高額資本所得の崩壊で
ほぼ説明ができる。

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格差の歴史―混沌とした政治的な歴史

格差の歴史は長い安定した流れではなかった。
「自然」均衡状態へと向かう規則的な傾向などなく、激動の社会変化の影響を受け、経済
的要素以外に、無数の社会、政治、軍事、文化現象に突き動かされた、常に混沌とした
政治的な歴史。


20世紀に格差を大幅に縮小させたのは、戦争の混乱とそれに伴う経済的、政治的ショック。
⇒二度の大戦による破壊、大恐慌が引き起こした破産、この時期に成立した公共政策
(家賃統制、国有化、国債からの不労所得生活者がインフレにより消滅したこと)


今日では、資本所得が労働所得を上回るには、社会階層のずっと高いところまで登りつめる
必要がある。



不労所得生活者が没落して経営者より下になり下がった。

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トップ十分位の各種世界

所得トップ層の構成曲線は、交差曲線を示し、労働所得のシェアはトップ十分位の中で特に
高い層にいくほど減少し、資本所得のシェアは急増する。


トップ十分位は常に二つのちがう世界を含包している。
1.労働所得が明らかに優勢な「9パーセント」
2.資本所得がだんだん重要になる「1パーセント」

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もっと複雑な事例―米国における格差の変容

米国が際立っているのは、ここ数十年でスーパー経営者というサブグループが最初に出現した
こと。


2010年の米国における格差の規模は1900年代のヨーロッパと同じくらい極端だが、格差の構造は
はっきりちがう。


米国の格差は第一次大戦前後のごく低い水準から始まったが、第二次大戦後の格差縮小期でさえ
ヨーロッパより格差が大きかった。

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超高額給与の台頭

格差拡大は主に賃金格差が前代未聞の拡大をとげた結果であり、特に賃金階層の頂点、中でも
大企業の重役たちがすさまじく高額の報酬を受け取るようになったせいが大きい。

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トップ百分位の共存

非常に高い所得と非常に高い給与の増加は「スーパー経営者」の出現によるもの。
スーパー経営者:大企業重役で自分の仕事の対価として非常に高額の、歴史的に見ても前例の
ない報酬を得る人々。